■ 07/09 木 ラカグ主催、小栗左多里さんとオンライン対談 → お申込はこちら
 ■ 07/14 火 「もぐら談話」第二回出演、紫原明子さんと → お申込はこちら
 ■ 07/17 金 哲学対話茶会005「音楽を読む」 → お申込はこちら

NEWS

2020-08(選書フェアに参加予定)
2020-08(雑誌媒体に登場予定)
2020-07-30(新しいメディアに寄稿予定)
2020-07-25(オンライン対談にゲスト出演予定)
2020-07-04哲学対話茶会004「片想いとは何か」開催 → こちら
2020-06-27『テレビブロス』コラム寄稿。→「消えものと身軽に」
2020-06-16『WE MUST GO ON』コラム寄稿。「過去への旅が灯す新しい日常」
2020-05-25朝日新聞『&M』コラム寄稿。→「上半分と下半分」
2020-05雑誌『BRUTUS』マンガ特集で『ワールドトリガー』紹介。
2020-05雑誌『GQ』「A MESSAGE OF HOPE」にコメント寄稿
2020-04-08『ハジの多い人生』(文春文庫)発売。→購入はこちら

2020-06-27 / 慣れるまでにはもう少し

まずは恒例のサイト更新報告。WordPressバージョンアップに伴いcssを整理し、メニュー欄を見直し、お問い合わせとメディアキットのページを作成。日記コーナーに過去記事からのよりぬき欄をもうけました。「最新の数件以外はわざわざ読まなくて構わない」という閉架式の心理状態をデザインでも示してきたのだが、さすがにあまりにも掘りづらかったので、何かの足しになればと。「売らない文章」を自分の手元でどうやって陳列するかは長年の悩みどころですが、またちょっとずつ増改築を続けていきます。

もうあまり更新する気のないウェブサイトをずっといじっているのも不思議な気分だ……と、未曾有未曾有の連続で、このところ、なんでもかんでも「不思議な気分」と言って片付けてしまう自分がいて語彙力が危ういですが、皆様お健やかにお過ごしでしょうか。

「上半分と下半分」分離したこの感覚を、継ぎ合わせられるだろうか
https://www.asahi.com/and_M/20200525/12140576/

私の近況は、雑誌『GQ』や『WE MUST GO ON』、朝日新聞「&M」の「コロナ・ノート」に寄稿した記事の通り。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、例年通りの日米往復生活を続けるのは難しいとの判断から、3月半ばに一時帰国して、今現在も東京に長期滞在しています。この3ヶ月間、家に引きこもって何をしていたかと問われれば多くは「過去と向き合う」時間で、パンドラの段ボール箱をいくつもいくつも開封しながら、奥底の「希望」を探すには、まだもう3ヶ月くらいは欲しいところ。


最後に「人と会う」をしたのは3月27日。昼公演でミュージカル『アナスタシア』観て、千早茜さんとごはんを食べた。もう遠い昔のようです。金曜日の出来事で、その週末は東京に雪が降り、緊急事態宣言も発令されるというのですべての人と会う予定が吹っ飛んでしまった。今日は3ヶ月後の6月27日で、吹っ飛んだ予定のお相手の一人、紫原明子さん主催のオンラインサロン「もぐら会」のイベントにお邪魔した。『もぐらの鉱物採集』購入時に「お話会」への参加権を買ったので、一般客である。今度「もぐら談話」にゲスト出演するのは、その後に決まったこと。

11時スタートで15時おひらき、車座になって20名の参加者がひたすらぶっ続けで順番に「自分の話」をし続ける、みんなでそれを聞く。本当に素敵な会で、私が5月から始めているプロジェクト「哲学対話茶会」で到達したい境地、「安心安全で対等な、まったく新しいおしゃべりの場」は、もうすでに生み出されていたと思い知らされた。これじゃん。これです。「きっと、僕らの夢を完璧に成し遂げてくれるシンガーが出てきたら、僕はギターとマイクを置いて、そいつの歌に夢中になってるかもしれない」(THE BOOM「手紙」)ですよ。僕はただ、対話を愛していたいだけだ、哲学対話にこめかみを撃ち貫かれたいだけなんだ。

【もぐら会】は、他者との会話を通して、自分と世界とを“自分自身で”掘り深めていくための集まりです。長い人生をより心豊かに、より肩の力を抜いて生きていくための自分と、その仲間とを、見つけられるかもしれません。

https://community.camp-fire.jp/projects/view/134297

その後、有志が1時間ほど雑談をして会は解散。その後、打ち合わせというテイでハッピーアワー。明子さんと同じこと、やってみたいけど、なかなかできないんだ、という悩み相談に乗ってもらう。私の「哲学対話茶会」は諸経費の自腹を切って参加費無料で続けているが、毎回参加希望者が定員を超えてしまい、なんとも据わりが悪い。これは都度都度ちょっとはお金を取ったほうが健全な運営になるんじゃないか、と考え続けている。一方で、主宰の私からのサービスやアフターケアをいっさいしない、現地集合現地解散の「反サロン」スタイルを貫くのが、このプロジェクトにとっては「正しい」気もするのだ。金銭の授受を発生させながら、今のこの素っ気なさを持続していくことは可能なんだろうか。

実現したいのは、野外フェスや抗議デモの場で、そこに居合わせた同じ目的の見知らぬ人と会話するときの親しみ。そして、いつぞや過剰接客してくれた店員が次行ったら自分のことをまるきり覚えていなかったときの、少しの落胆の裏にある圧倒的な気楽さ。あるいは、常連客よりも新規客のほうが多い場末のスナック。そんなものあるのかって? 「もぐら会」は月額一万円払ってる会員からこの日限りのゲストまで、みんなフラットな関係性を築けているように見えて羨ましかった。私だって紫原明子ママや馴染みの仲間に話を聞いて文章を読んでもらえるスナックがあったら、そのくらいの金額かけてボトルキープをすると思うんだよね。


それはそうと、3ヶ月間、歯医者と美容院を除いて、近所の商店街へ買い物に出かける以外はまったく外出していなかった。一度にたくさんの人と会うイベントは本当に久しぶりで、朝から子供みたいに緊張していた。まず何を着て行ったものか。何しろ4月中には帰るつもりでスーツケース転がして来たので、靴下や長袖カーディガンはたくさんあるのに、夏服の持ち合わせがほとんどない。風呂に入れば身体の洗い方がわからなくなり、鏡の前では髪の梳かし方がわからなくなり、水とハンカチとPASMOと名刺入れを忘れないように、何度もカバンの中身を確認する。

さりとて、人恋しさもあんまりない。コラムにも書いたZoom結婚式、演劇や音楽をはじめとする各種ライブパフォーマンス配信、そしてオンライン哲学対話など、ビデオチャットでのミーティングにすっかり慣れてしまったから。もともと引きこもりで、いざ社交するとなると人並み以上の労力を割く羽目になる私。もうリアルでの「打ち合わせ」や「飲み会」なんて絶滅してしまっても困らないんじゃないか、くらいのことをぼんやり考えている。ま、それでも人に会いたくて、出かけていくんだけどね。


昨日は高野寛のライブ配信を観て、今夜は高橋徹也のライブ配信を観て、連日連夜、東京はすごいなぁ、と思いつつ、この凄さは東京でなくとも、地球のどこに「うち」があっても、楽しめてしまうものなのだった。自粛期間明けのスターパインズカフェで一曲目に「My Favorite Girl」を歌った高橋徹也が、まんをじして下北沢leteでのソロワンマン、予期せぬアンコールで同じ「My Favorite Girl」を歌い、二度も出だしに失敗するのを驚きと微笑みとともに眺める。この曲には、こんな歌詞がある。

新しい僕の暮らし なんとかサマになってきた
慣れるまでにはもう少し 時間が要るみたい

leteでの高橋徹也ワンマンには何度か行ったことがあるけれど、こんなにたくさんのファンと一緒に、演奏中にも感想を語らいながら観るなんて、現実では起こり得ないことである。でも、現実のleteには収まりきらない人数で同時に観ている強めのエコーがかかったそのライブは、紛れもなくleteのあの、密な空間のものなのだ。すべてが懐かしく、すべてが新しく、何もかもリハビリのようにぎこちなく、でも、こうとしか進まないでしょ、という顔して日々は過ぎていく。

文庫『ハジの多い人生』

書題ハジの多い人生
英題Mine Has Been a Life of Much Margin
著者岡田育
発売日2020年4月8日
出版社文藝春秋
仕様文庫
価格760円+税
装幀野中深雪
装画鬼頭祈
ISBN-104167914840
ISBN-13978-4167914844
版元ドットコムhttps://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784167914844
Amazonhttps://www.amazon.co.jp/dp/B086QMRJHT/

1990年代、痴漢だらけの満員電車で都内の女子校へ通学する思春期を過ごしつつ、
メガネ男子に萌え、16歳で献血を初体験。大足コンプレックスにレーシック、
恋愛、化粧、髪形、三十路で開眼したタカラヅカに、音楽やインターネットに至るまで――。
「変わってる」「非モテのオタク、腐女子」と言われようと、
世界のハジッコでつぶやき続ける著者会心のデビュー作。

宇垣美里さん(フリーアナウンサー)も絶賛!

『ハジの多い人生』というタイトルは「恥」ではなく「端」、中心に対する周縁を指している。
私はいつも世界の隅、真ん中じゃなくハジッコ部分を生きており、無駄を嫌う人が
削ぎ落としてしまうような、雑多な余白にこそアイデンティティを置いている。
「文庫版のためのまえがき」より

文庫版のためのまえがき
まえがき
第一章

    ハジの多い人生 / 私は普通の人間です / 人生ソロ活動 / いのち短し、伸ばせよ髪を / 蓼食うナンパ師たち / 週末、血の海にまどろむ

第二章

    遭難する準備はできている〈前編〉 / 遭難する準備はできている〈後編〉 / 亡き就活生のためのパヴァーヌ / 愛とごはんと集中治療室 / さよなら武蔵小山

第三章

    気にしているのがイイ話 / キレイはきたない、きたないはキレイ〈前編〉 / キレイはきたない、きたないはキレイ〈後編〉 / 欲望という名の満員電車〈前編〉 / 欲望という名の満員電車〈後編〉

第四章

    タカラヅカなんて嫌いだ! (った)〈初日〉 / タカラヅカなんて嫌いだ! (った)〈中日〉 / タカラヅカなんて嫌いだ! (った)〈楽日〉 / 恋とはどんなものかしら / グーテンベルク・ガール / 名誉男子と、WEB女子と

第五章

    『去年インターネットで』 / バビロンまでは何キログラム? / なんとなく、スピリチュアル / 青山の上に、お城があるのよ / 悪魔と踊れ(走らずに) / 曲線と直線と中央と周縁の宇宙

あとがき
文庫版のためのあとがき

※本書に関するお問い合わせ、取材依頼等は、版元へご連絡ください。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167914844

2020-03-14 / ザ・インタビューズのこと

すっかりご無沙汰してしまいました。本当に日記に向いていない。Twitterにはあんなに向いているのにな。

昔「ザ・インタビューズ」という不特定多数から質問を受け付けるサービスがあって、私は割と熱心に長文回答をしたためるのにハマっていた。当時まだ会社員で、お題を与えられて何か書くのはTwitterやはてなハイクと同じ日常の息抜きに過ぎず、周囲からは「一銭にもならないのによくやるよ」と呆れられながら、担当著者であった津田大介さんに紹介されて、ちょっとだけバズッたりしていた。

2012年の夏に転職したとき、最初にエッセイ連載の話をくれた編集部から「Twitterやザ・インタビューズみたいな感じで何か書いてくれればいい」「いずれは本にしましょう」と言われて、遊びで書いた長文が、業界でいうところの「サンプル原稿」としても機能するのだということを初めて知った。私が勤めていた出版社は昔気質なところがあって、そんなものが企画会議を通るとは思えなかったので大層驚いたものだ。

先日、『音楽と人増刊PHY』にBUCK-TICKについて寄稿し、『音楽と人』本誌4月号に高橋徹也のインタビュー記事を書いたのだが、この雑誌の編集長も「昔ブログかどこかに書いていたあの文章みたいな感じで」と、大変ふんわりした執筆依頼をくださり、そもそも読んでいたことにも、そしてそのことを憶えていてくれたことにも、心からびっくりしてしまったよ。

「ザ・インタビューズ」はとっくにサービス終了してしまっていてもうサイトも跡形もない。WebArchiveの魚拓を辿って過去記事をサルベージしてみたが、発掘できたのは全回答193件のうち、188件までだった。そのうち186件(いくつかとりまとめたので記事件数では154件)は、ここで読めるようにしてある。削った2件はかなり長めの観劇感想で、そのまま公開するのが少々憚られるため、いったん下げておく。いずれ他の観劇感想と一緒に掲載予定。

残りの5件については私もまったく思い出せないのだが、うち2件は「おとなになるってどういうことでしょうか?」「なにかに、または誰かに嫉妬する気持ちはどう対処しますか?」という質問への答えだったようだ。今ならどう回答するかな。昔書いたもの、すっかり忘れてしまっていて、読み返すと面白い。この楽しみを持続するためには、今から日記もちゃんと書いておかないとね、と思う。思うだけ。

『마흔에는 홀가분해지고 싶다』(韓国語版「40歳までにコレをやめる」)

エッセイ集『40歳までにコレをやめる』の韓国語版が、UknowBooksから刊行されました。タイトルは『나를 둘러싼 모든 것들로부터 마흔에는 홀가분해지고 싶다』(私を取り巻くすべてのものから40までに気楽になりたい)、翻訳はチェ・ユニョンさんで、表紙と本文挿絵はShobiさん。淡いオレンジを使った本文二色刷り、とてもかわいい仕上がりです。発売日は2020年1月23日、奇しくも私の40歳の誕生日。最高のバースデープレゼントをいただきました。

私はあいにく韓国語の読み書きはできませんが、おかげさまで、なんだかもんんんんのすごく、評判が良いようです……!! あちこちのレビューサイトで5つ星評価を得ていて、InstagramをはじめとするSNSにも長文の熱烈な感想が寄せられている。日本の読者と同じくらい、韓国の若い女性読者に「刺さる」本になったのかもしれません。

言われてみれば、「30代半ばでそれまでの仕事を辞めて米国ニューヨークに留学する」という体験、日本ではものすごく珍しがられますが、韓国ではもうちょっと身近な話なのかもしれない。大学の英語クラスを見渡しても、日本人より韓国人や中国人の学生が多かったし。私だって留学準備期間中、もし韓国人女性作家が書いた似たような本があったら、日本語訳で読みたいと思ったもんなぁ。

下手にエゴサーチや宣伝をして著者が目立たないほうがいいのかな(夢を壊して逆効果)? と思いつつ、嬉しいのでついつい感想を追いかけてしまいます。いずれ、この本を口実に韓国へプロモーション旅行に行きたいな。そして、他国語への翻訳出版オファーも引き続きお待ちしております!

書題 나를 둘러싼 모든 것들로부터 마흔에는 홀가분해지고 싶다

(私を取り巻くすべてのものから、40までに気楽になりたい)
著者오카다 이쿠 (岡田育)
訳者 최윤영 (チェ・ユニョン)
発売日2020年1月23日
出版社Uknow Books
仕様四六判ソフトカバー
価格14500 KRW
装幀 
装画쇼비 (Shobi)
ISBN-10
ISBN-13 979-1189279905
紙書籍
電子書籍 https://www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ItemId=228723101