ザ・インタビューズ転載日記(禅マリ禅)

禅さんが好きですか、禅マリが好きですか

ぼくは泣き虫ポンメルシー
ぼくは泣き虫ポンメルシー



「禅さんが大好きで! 禅マリも大好きです!」

ちなみに「禅さん」というのはミュージカルを中心に活躍されている俳優の石川禅さんのこと、「禅マリ」というのは彼が演じた日本版『レ・ミゼラブル』のマリウス役のことです。この演目は複数キャストがさまざまな組み合わせで舞台に立つので、マリウスという青年の役ひとつとっても「育マリ」「優マリ」「のじマリ」「禅マリ」などと役者の個性の違いを味わうのが楽しみ方の基本となっております。

さて、私が初めてこの石川禅マリウスと出会ったのは1997年、……だと思うのですが、まったく記憶にございません。石井一孝マリウスはCDでさんざん聴いたから別の人を観よう、とチケットとったものの、「この石井じゃないほうの石ナントカ、顔ぷくぷくだなぁ」と思った記憶しかありません。その後も何度か別の役で観ているのですが「あー、あのほっぺが丸ウスの人か、痩せたな」程度の認識でした。

それが、2011年5月11日夜、帝国劇場『レ・ミゼラブル』のスペシャルキャスト公演として御年46歳で年甲斐もなく二十歳そこそこの若者を演じる石川禅、すなわち「禅マリ46歳」を観て、……燃える太陽の矢が胸に飛び込んでしまったんですね……。その後のことは、当時の日記やTwitterなどご覧になっていただければおわかりになると思います。

しつこいようですが、禅マリ46歳の魅力を一言で表すと「熟女セーラー服」そして「非実在童貞」です。義父となるバルジャンを演じた別所哲也よりも年上のベテラン俳優が。初めての恋に狂って辛抱たまらずあたりを駆け回る幼稚園児のような青二才を。「僕たちと寝てくれた彼女ら」と言われても就寝の意味だと思ってキョトンとするような童貞として。完璧に演じるその自然さ、自然さゆえの奇妙さ、見てはいけないものを見ている感じ、だけどいつしかそんな雑念を忘れて見入ってしまうほどの崇高さ。理論上この世に存在しえないものを、この目でたしかに見ることのできる歓び……これぞ芝居の醍醐味ではないでしょうか。そう、私はそのときたしかに、帝劇に舞い降りた天使たちの音楽を聴いたのです……禅ちゃん、君のおかげだよ。すなわち禅マリは天使!

あまりの衝撃ゆえ、そこから一気に、俳優・石川禅さんのファンにもなりました。歌唱力が抜群なのは存じておりましたけれども、あらためて聴くと本当にものすごい演技力と表現力、他の役を演じている様子にも惚れ惚れします。「If I loved you」や「Why God Why?」なんて世界各国の役者が歌ういろいろなバージョンを聴いてるはずなのに、禅ちゃんの聴いたらこれが世界一ですよね。ファンになるのが遅すぎましたが、ここから先は可能な限り、生の舞台で禅ちゃんを観ていたいなと思います。

(追記)こちらも書きました!
石川禅さんの好きなところを教えてください。今後彼のどんな役が見たいですか。
https://okadaic.net/archives/2009