第一回オフィスアワー開催

事後報告。5月6日、MUSE SQUAREにて「岡田育オフィスアワー」というものを開催してみました。

 オフィスアワーとは、もともとは大学の仕組みで「教員が必ず研究室に在室している時間帯」のこと。あらゆる学生が好きに研究室を訪ねて行って、あれこれ相談や質問、雑談などができる制度です。日本で最初に導入した大学は慶應SFCだそうで、私も進路に悩む学生時代はよく活用しました。いきなりデートに誘うよりお見合いパーティーのほうが気楽に話せるのと同様に、会いに行くのに口実が必要ないとわかれば、訪ねていく側も、待ち構える側も、心理的距離がぐっと縮まりますよね。これに倣い、我らがMUSE SQUAREでは、代表が予定をあけてオフィスに詰めている時間帯を「オフィスアワー」と呼ぶことにしました。

 今回は、私岡田の初めてのオフィスアワーです。いくらオープンネスが売りとはいえ、毎日毎日、見ず知らずの人たちにピンポンダッシュされるのは正直たまったもんじゃないです。でも、時間を決めて「アポなし突撃ドンと来い!」と受けて立つ機会を持つのは、自分にとってもプラスになるんじゃないかなと思っています。道場破りを待ち構えるのも武者修行の一つ、ということで。

 別件の会議中にふと思い立ってその場でイベントを立て、告知には「connpass」というイベント支援サービスを使ってみました。これは同じくMUSE SQUAREで開催されている「Ruby Motionもくもく会」の真似。TwitterやFacebookのアカウントで参加表明ができて、主催者側は参加予定者に一斉メールを送ったり、PayPalで前払いチケットを発行したり、活動報告を掲載したり、といったことも可能です。

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「ソーシャル時代に女がものを書くということ」終了

10月7日、下北沢B&Bでのトークイベントにご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

女子校で12年間一緒だった幼馴染、大学時代の同輩や後輩、乙女美学校のOGとその旦那様、出版社時代の同僚、担当編集者、プロの作家やライター、「残念炎上事件」の張本人などなど……「えっ、あなたが来るの/来てたの!?」といったお客様が多くて驚きました。来るなら先に言え。それぞれの分野について私よりよっぽど詳しい人々へのさまざまな「釈迦に説法」感が積み重なり、最終的には思い返すたび「おまえ何様やねん」と自分へのツッコミが止まりません。編集者ってあらゆることが広くて浅くて、あと基本的に人前に出る仕事でもないので、いろいろ至らなかった点は何卒ご寛恕ください……。

スタッフの皆さんの談話を鵜呑みにするならば(そう、鵜呑みにしていられたら幸福ですよね……)、「開店以来の予約者数、滅多にない来場者数」で「こんなに笑いの絶えないイベントは久しぶり!」とのこと。あんなシャレオツ空間の楽屋で、店長の元重慎太郎さんに「やー、今夜はドッカンドッカンでしたね!」と両手をワキワキさせられてしまい、「そんな、此処『ルミネtheよしもと』じゃないんですから……」とショップコンセプトの先行きに不安を感じたりもしました。

とはいえ、顔馴染みの友人知人の来訪以上に嬉しかったのが、初めてお目にかかった皆さんと終演後にお話しできたことです。同情でも憐憫でもなく恩を売るでもなく、ただただ興味本位で、何者かもよくわからないこの二人組をわざわざ見に来てくださったわけですよね。本当にありがとうございます。

中には、スタッフの誰かが適当に書いた煽り文句「プロのライターや編集者になりたいと考えている人たち、また、ネットでモノを書きたいという人々、必見のイベントです!」を鵜呑みにしたのか(本当、鵜呑みにするのはよくないですよね……)、「岡田有花さんや岡田育さんのようになりたいのですが!」と声を掛けてきてくださる女子学生の姿も。ビール飲みすぎてハイになり適当な応答をしてしまったのが悔やまれますので、あのとき伝えたくてうまく伝えられなかったことを、ちょっと書いてみようと思います。

「ライターになる方法をおしえて」と訊くような子はなれないでしょう (枡野浩一)

これは私の大好きな枡野浩一さんの短歌で、就職活動中の学生に何かコメントを求められると、必ずといっていいほど引用しているフレーズでもあります。いきなり「私、どうしたらいいんでしょうか?」と訊いてくる人に限って、その前段階でこちらに渡してくれる「私」についての情報量が少ないよなぁ、と思うことが多いです。そんな少ない情報にもとづいてこちらが超テキトーにその場で渡したアドバイスを、そのまま鵜呑みにして信じてしまうような心持ちでは、そして翌日には別の人のところへ同じことを訊きに行って別のことを言われて同じように鵜呑みにしていては、いつまでも「なりたい私」には到底なれないんじゃないかなぁ……と、他人事ながら心配してしまいます(ね、鵜呑み、ダメですよ、イカンですよ。自戒を込めて……)。

質問をするな、相談を持ちかけるな、と言っているのではありません(むしろイベントの盛り上がり的にはもう少し質疑応答が欲しかったところ!)。ただ、「編集者とは?」みたいな問いかけは、同じお店で夜な夜なトークイベントに登壇している別のベテランカリスマ編集者に、私だって訊きに行きたいくらいの、深遠な質問なんですよね。本編で話した「その場その場を楽しんで、つねに新しいものを作りたいと思えるか否か」の他に「向き/不向き」を判定するものはないと思いますし、何かを実際に始める前から「クリエイティブになれたら」云々と口に出して言っていると、口だけぽかんと開いたまま、ますます手のほうが動かなくなるんじゃないか、とも思います。

これも本編で話したことですが、私は子供の頃から自分の周囲にいる「ほっといてもどんどん自分で何かを生み出す人たち」に魅了されてきました。なりたいとかなりたくないではなく、誰に頼まれてもいないのに黙々と何かを作っている、作らざるをえない、そうナル前にそうデアルという人種は、この世の中にたしかに存在します。プロのクリエイターでなくとも、自分で料理や手芸するのが得意で出来合い(レディメイド)のものが大嫌いな友達とか、頼んだ枚数以上の原稿を書いてくる文芸部員とか、そこに楽器があれば勝手に俺ソングを弾きがたり始める子供とか、要らんもんいっぱい買ってきてマイホームの室内をあれこれ魔改造し続ける両親とか。

そういうものの延長線上に「職業」がある、それぞれがそれぞれのそういうもので食っていく、というのが理想だよな、と考えていますので、「才能がなくても今から何かを身につけてその分野で就職できたりするものでしょうか、その何かとは何ですか?」といった質問をされると、「この人は『仕事を探す』こと自体が不得手なのでは……迷わず悩まず明日からすぐ就けるような職業のほうが向いているのでは……」などと、こちらのほうが悩んでしまったりもするのです。
以前、ザ・インタビューズでの質問には、こんなふうに答えました。
http://theinterviews.jp/okadaic/1577192 

要するに今回のイベントは、岡田有花と岡田育による「俺の嫁」についての、ほろ苦いノロケ話でした、というだけ。ネタの一つ一つをマジに捉えて、必死にメモを取っていた若い人もいらしたようですが、とにかく「話半分に聞いとけよ!!」というのが心配で心配で、慌てて筆を執っています。

さて、というわけで久谷女子プレゼンツ「WEB女子対談」シリーズ、おかげさまで過去二回とも大盛況、大好評のうちに大成功をおさめましたので、店長やプロデューサーの藤村さんから口々に言われた通り、第三回、第四回、とシリーズ化して、いずれは総勢十余名の久谷女子メンバーが入れ替わり立ち替わり登壇し、B&Bを乗っ取るくらいのつもりで継続していきたいと思います!! だってお店のスタッフさんたちがみんな「また是非やってください」と言ってたもんねー!!(だから、鵜呑みにするなと……)

TypeSquareで模様替え

このところ、あちこちで、活字を重視したシンプルなウェブデザインを見かけるようになったので、ちょっと真似してみたくなってモリサワのクラウドフォントサービス「TypeSquare」に申し込んでみました。
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退職のご報告

 今年6月末日付で勤めていた出版社を退職しました。2004年4月に新卒採用で入社、研修を経て雑誌編集部に配属されて4年、その後、単行本書籍を作る編集部に4年。長いような短いような8年余でした。

 そもそも所属組織名を表に出して活動していたわけでなし、わざわざネットで書くほどのこともあるまい、と思っていたのですが……。思い返せば、最初にお仕事がきっかけでご一緒させていただき、今現在もソーシャルネットワーク上でゆるく繋がっている、というご縁の方は多々いらっしゃいます。本来であれば一人一人に直接ご挨拶すべきところですが、まずは御礼かたがた筆を執った次第です。在職中は公私にわたり大変お世話になりました。本当にありがとうございます。

 社会人生活の第一歩をスタートさせるとき、学費ローンの返済期間でもある「最初の10年」は、一つの職場に踏みとどまって頑張ろう、というのを最大の目標に定めていました。ずいぶん小さな目標だと笑われるかもしれませんが、とびきり素敵な会社で働くことができたおかげで、衝動的に辞めたくなったことは一度もありません。素晴らしい同僚に恵まれ、いくつも大きな仕事を任せていただき、充実した8年余を過ごすことができました。そしてまた、2010年秋にローンを繰り上げ完済したあたりから、人生に流れる時間を捉え直し、自分にとって本当にしっくりくる節目はいつか、次の目標をどのように定めるべきか、前向きに考えられるようになりました。

(なんでカネの話ばかりするかというと、このエントリは以前はてなダイアリーに書いたことの続きでもあるからです。「学費ローン完済なう。」

 雑誌や書籍を作る編集者という職業は、毎日が非常に面白く、有意義で、大変やりがいのある仕事です。紙媒体への愛着は今でもとても強いですし、できれば今後とも、いろいろな媒体、さまざまなコンテンツの制作に携わりながら、同じような肩書を名乗っていられるとよいな、と思っています。大きな版元から小さな何でも屋へ移り、取り扱う媒体も変化していくはずですが、プロフィール欄の「会社員・編集者」は、当面、変えずにおくつもりです。

 現在は、今夏に出来たばかりの新しい小さな会社に勤めつつ、その法人で「『場』を編集する」ということを試みています。といってもまだ、何も家具のないがらんとした新設オフィスに棚を買ってきて組み立てて置く、とかそんな程度の話ですが……。今年の年末までには、もう少し進展した状況を、初仕事の成果としてお伝えできればよいなと思っております。

 そしてまた、前職でかけがえのないご縁を賜りました皆様にも、これから自分の進んでいく道について、ゆっくりとご相談させていただけたらいいな、と考えているところです。またあらためて、何か新しいかたちでお仕事のお願い、遊びのお誘いなどに伺うこともあるかと思います。どうぞ今後とも変わらぬご交誼を賜りつつ、引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
 

ブログ事始(過去に書いてきたもの)

ブログ始めました。
過去ログをすべてここへインポートするのはあまり意味のない行為だと思いますので、インターネット上で過去にあれこれ書いてきたものへのリンクを貼ることでそれに代えたいと思います。
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