ザ・インタビューズ転載日記(女嫌い)

なんでそんなに女である自分が嫌いなんですか?

薫ちゃんが俺俺すぎてたまに読むのがつらい

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今までにいただいた質問の中で、これが最もイラッときました……。この質問者、どうせ私の直接の知人ではないですよね。ネットに書いたものだけ読んでこう判断したんですよね。もし万が一、直接の知人だとしたら、今すぐ絶交したいくらいなんですが……。いや、質問すること自体はいいんですよ、別に。たとえば宴席などで面と向かって言われたら「あー、それはとても興味深い問題ですよねー」と普通に受けて立ちますよ。ただ、こういう場において「匿名で」こういうことを訊いてくる輩が、私は、大嫌いだよ。相手の顔が見えないのをいいことにこちらも過激なこと言うけどさ、ほんと、匿名でこういうこと訊いてくる、興味本位で訊いてくるだけで、私自身の実人生には向き合おうともしない、おまえみたいなやつが、一番嫌いだよ。もし知人なら、直接会ったときに私がどれだけニコニコしてても、全部偽りの愛想笑いだと思えよ。おまえだけは、そこんとこ、死ぬまで肝に銘じておくといいよ。

さて質問に答えます。「女である自分」好きですよ。女子校で12年間「男役」の役割期待を担ってきましたので、生まれた性のまま振る舞うという経験に乏しく、だからこそ大人になってからは、のびのびできて楽しいです。女ってだけで社会から優遇されるたび「外の世界って最高!」と思います。女子校内で徹底的に紳士教育を施されてきたので、いまだに間違えて、可憐な殿方の重い荷物を持ってあげたり、椅子を引いてあげたりしちゃいますけどね……。

リボンやフリルのついたガーリィなワンピースなんかが好きじゃないのは、単に嗜好の違い。それは「性別を厭う」のとは別問題です。たとえば振袖やイブニングドレスを着たときとか、フルメイクで髪を結い上げてもらったときとか、鏡に映った自分を見て「オッ、いい女だねぇ、こいつァ男がほっとかねえぜ!」と感じるのは大好きです。毎日毎日そんなことにウツツをぬかすほど暇でもないんですが。漫画『絶対可憐チルドレン』の明石薫ちゃんというヒロインが、私の感覚に一番近いですね。中身はスケベオヤジなんだけど、自分は自分でセクシーな美女に成長したいと思っているし、他はともかく意中の殿方にだけは「女である自分」をすっぽりまるごと受容してもらいたい。私もずっとああいう子供でした。「今ちやほやしてくれる京介は要らない、ずっと見守っててくれる皆本が欲しい」という男の好みもまったく同じですね。

女子校時代、私なんかよりもっとずっと「性を厭う」級友たちを目の当たりにしてきました。外見だけなら私よりずっと「女の子らしく」見える子が、一人称ボクだったり、胸にサラシを巻きたがったり、異性からの性的な視線を悔し涙が出るほど憎んだり、もっと突き詰めて「早く家庭に入って子供を産んで色恋沙汰から一抜けたい」と言っていたり。彼女たちの苦しみや悩みは理解できるし、何なら代弁したっていいけど、でも私自身にはほとんどないものです。ああいう若い女子の苦悩を知らない連中が、私みたいな「男っぽい」女を見て、私のほうが「性を厭うている」と勘違いするんだよね。まったく本質を捉えられていないと思います。

もちろん、あーあ、女って嫌だなぁ、と思うこともありますよ。たとえばPMSや生理痛がひどいとき。十時間以上ベッドから起き上がれないとか、街中で意識失って救急車呼ばれるとか、大事な約束をドタキャンする羽目になるとか、毎月必ず一週間ほどあらゆる行動のパフォーマンスが落ちるとか、それで異性はおろか同性からも同情してもらえないとか……何より、「今月もああなるかもしれない」とビクビク怯えているときや、「ピル飲めばいいのに」「子供産めば治るわよー」と言われたときなど、ものすごく理不尽に感じるし、たしかに「女は嫌だなぁ、男だったらどんなに楽か」と思います。でも、そんな話をいくらしたところで、こんな無神経な質問してくる質問者にはまったく理解してもらえないことはわかってますので、書いても詮無いですよね。

また、「性別が女であることでいろいろと誤解されている自分」を嫌いになりそうなときもままありますが、そんなときは、脳内に峰不二子とか姫川亜弓とかポポーニャとかアン教授とかのイメージを思い浮かべながら「私が悪いんじゃない、誤解する奴が悪いんだ」と唱えて心を落ち着かせています。そうやっていつまでも勝手に外野から私のことを「女である自分が嫌いな女」だと思っていればいいよ、誤解されたって屁でもねーぜ、どうせ私の人生に、てめーらは毛ほども関わってこないんだからな、と。そう思うしかないですね。私からの回答は以上です。