ザ・インタビューズ転載日記(義弟)

義弟への屈折した感情を語ってください。



私には、実弟、偽弟、義弟と、合計三人の弟がおります。今回は義弟についてのご質問ですので、義理の弟、実妹の夫について語りたいと思います。

義弟は実妹よりもさらに年下で、私が妹と二人暮らしをしていた学生時代から互いを知っている間柄です。体育会系さわやかスポーツマン経由、現在はエリート商社マン。正直申し上げて私の好みの異性(例:『めぞん一刻』の四谷さん)とは180度タイプが違いますし、こんな釣書だけ見たらそれだけで「ケッ何見てんだよちきしょーオタクで悪かったなリア充ばくはつしろ! わーん!」と被害妄想からくる苦手意識を持ってしまいそうなものですが、これが実際に会って話してみると好青年を絵に描いたようなじつに気持ちのいい若者で……。こんなよくできた子が自分の弟になってくれて本当に嬉しい限りです。

ややこしい話ですが、義弟にも実のお姉さんがいまして、妹と弟の結婚披露宴に、ほぼ同い年の姉二人がそれぞれ振袖を着て臨むという味わい深い光景が繰り広げられました。そして新郎のお色直しの際には、その振袖の姉二人が両脇から弟の腕をがっしり掴んで高砂から場外へ導くという、新婦の考案したセレモニー付き。司会者による「このお二人の麗しいお姉様方は、なんとまだどちらも独身でいらっしゃいます! 新郎、両手に花ですね!」というご丁寧な解説付き。ピッキピキに張りつめた氷の微笑を絶やさないド迫力の姉二人に挟まれた、そのときの義弟の姿はさながら「FBIに捕らえられていずこかへ連行される宇宙人グレイのようだった」と、今も両家の語り草です。