よく観るスポーツ、または昔よく観ていたスポーツ、これから観てみたいスポーツはありますか。
これは、今までにもあちこちで書いていることですね。私は運動神経がおそろしく鈍くて、学校の体育の成績も我ながら目を瞠るほど低く、スポーツ全般あまり好きではありません。自分でやるよりは他人の競技を観ているほうがまだマシですが、やはり苦手意識が優って、スポーツという概念自体が好きになれないところがあります。
囲碁将棋やチェスのような所謂マインドスポーツを除いて、身体を動かすスポーツで観戦するものも非常に限られています。今まで一時期でも夢中になったスポーツ観戦といえば、相撲、新体操、自転車、でしょうか。
相撲については、とにかく、千代の富士です。アスリートのことをあそこまで好きになるのは、きっと千代の富士が最初で最後でしょう。Wikipediaから引用すると「1988年(昭和63年)5月場所7日目から11月場所14日目まで53連勝」とあり、つまり私が小学3年生のときですが、この連勝記録を固唾を呑んで見守っていたのを憶えています。幼い私は、圧倒的な「強さ」は圧倒的な「美しさ」となる、ということをまさに彼から学びました。羽生善治七冠に魅せられて将棋を観るようになったのとまったく同じです。こちらが原点です。ぶっちゃけ彼一人むちゃくちゃ顔も好みだったというミーハーな話で、当時のライバル勢のこととかまったく覚えていないのですけどね……九重親方になってからも、弟子の取組のときなど端に姿が見えるとそれだけでドキッとします。大相撲のテレビ中継は、基本の型が決まっている中でアドリブを繰り出す、ジャズのアドリブやお芝居の駆け引きを観ているような気分も味わえて、「速く走ったら勝ち」みたいなスポーツ中継にまったく興味が持てなかった私を、シアトリカルに惹きつける要素もありました。あとは敷島、舞の海、朝青龍、日馬富士なんかも応援してましたが、贔屓役者同様、いかにキャラ立ち重視で追いかけてた浅いファンか、お察しください。
新体操は、最初は何だったろう。やっぱり『タッチ』の浅倉南かなぁ。あのアニメで観るまで、あんなスポーツがあること自体を知らなかったと思います。学校の友達にはクラシックバレエをやっている子がいて、妹は伊藤みどりに憧れてフィギュアスケートを始め、かたや私はテレビでぼんやり新体操を眺めている……という感じ。誰にどうやって習えばいいのかわからなくて「観てるだけ」でしたけど、この三つ、当時の女児の憧れでしたよね。どういう時代背景か今よりずっと中継番組が充実していたし。それで、ローザンヌ国際コンクールと、フィギュアスケート、新体操の世界選手権は、母私妹の女三人でお茶の間のテレビを囲み、わいわい言いながらそれぞれ贔屓の子を作って観ていました。中でも私の場合、『ファイブスター物語』の永野護の影響もあるのか、超人的な動きを強いて技術点の厳しい新体操の観戦が性に合っていたようです。1990年代末、ジュニア部門からシニア部門へ殴り込んで来たアリーナカバエワ選手の衝撃、憶えています。それまで誰を応援していたのかもう思い出せない……いや、エレーナビトリチェンコですけど。
自転車競技については他の質問をいただいたのでそちらで回答しますが、地上波でのツール・ド・フランス中継が充実していた頃、よく眺めていました。その後、友人に薦められて『シャカリキ!』を読んでさらなる過熱状態に。ちなみに、週刊少年漫画におけるスポ根モノ作品は結構好きなんですけど(読むだけなら)、あんまり実際の競技観戦まで掘り下げることはないように思います。ああ、『アイシールド21』を読んでいた頃にアメフトの試合を観に行ったのは楽しかったな。漫画で予備知識なかったら何を見ていいのかさっぱりわからなかったでしょうね。
こうして書き出してみると、私がかつて一度でも好きで観ていたスポーツには共通項があるように思います。圧倒的な強さを誇るスター選手が勝ちに勝ちまくる個人競技が大前提で、美学や芸術点といった曖昧な要素が観客だけでなく審判にまで加味され、ほんの時々は団体戦の側面も見せるのでグッとくる……というような。まぁスポーツはすべてそうだろと言われそうですが、ざっくり言って陸上や団体球技種目とは違う感じがします。
このところ漫画だと『ちはやふる』も愛読していて(あれはもはや少女漫画というより少年漫画だと思う)、あの「競技かるた」という世界は、私のこのツボに結構はまるんじゃないかと思います。これから観てみたいもの、と言われて最初に思い浮かびました。それから、最近になって「スキージャンプ女子」を観るようになりまして、これまた面白い。今後どんどん熱くなるジャンルだと思いますので、引き続き追いかけていきたいですね。