ザ・インタビューズ転載日記(初ミュ)

初めて見たミュージカルの思い出を教えて下さい。

電気機関車のエレクトラさん
電気機関車のエレクトラさん



児童向けのミュージカルはほとんど記憶になくて、幼稚園の頃に何人かの友達とその父兄たちと、よそゆきの服を着て日生劇場へ行った思い出だけが残っています。たぶん劇団飛行船か何かの着ぐるみ人形劇を観たんでしょうね。「洞窟みたいな壁を見上げていたらフッと場内が暗転したのでワクワクした」ことだけを強烈に憶えていて、あの壁は、日生劇場。大人になって訪れるたび、いつもそのことを思い出します。

小学生の頃は、親に連れられて『夢から醒めた夢』『アニー』『キャッツ』なんか観てましたが、初めて『コーラスライン』を観たとき「こんなドロドロした大人の話、いいのかな、子供にはまだ早いんじゃないの」とドギマギして、あれが強烈な思い出として残っています。四年生のとき旅行でニューヨークへ行って、ブロードウェイの『CATS』も観ました。幕間にオールド・デュトロノミーからもらったサイン、まだどこかにとってあるはず。「言葉が全然わからない子供でもこんなに楽しめる、お芝居ってすごいなぁ」と思ったものです。まぁ『CATS』が特別なんですけどね。当時一番好きだったのは『スターライトエクスプレス』ですが、四季作品なんかと違って一度きりしか観ていないから記憶が薄れてしまって……また観たいなぁ。

あと、父方の叔母に「育ちゃん、たしか『ベルばら』好きよね!?」と訊かれて頷いたら翌週末には宝塚歌劇へ連れて行かれていた、という体験もあります。てっきりあの「実写版ベルばら」が観られるんだと思ってついて行ったら全然違う演目で、あまりの落胆にまったく内容を憶えていません。なんか波止場でマドロスが出てきたような……で、子供心に「そんな男よりアンドレ出せよ!」と怒り狂ってました。叔母も第何次かのブームに乗っただけのニワカで、あまり重度のヅカオタではなかったので、あちら方面は開発されず現在に至ります。

自分でお金を出して観に行った初めてのミュージカルは中学一年生のとき、音楽座の『マドモワゼル・モーツァルト』1992年だと思います。ライブやコンサートに行くのは禁止されていたんだけど、青山劇場なら隣接する「こどもの城」に行き慣れていたから一人で行ってもいいと親の許しが出て。幾ら出したんだろう、きっとその年のお年玉はたいたんじゃないですか……「消しゴム信者乙」としか言いようがないですね。