すっかりご無沙汰してしまいました。本当に日記に向いていない。Twitterにはあんなに向いているのにな。
昔「ザ・インタビューズ」という不特定多数から質問を受け付けるサービスがあって(2011年夏サービス開始とのこと)、私は割と熱心に長文回答をしたためるのにハマっていた。当時まだ会社員で、お題を与えられて何か書くのはTwitterやはてなハイクと同じ日常の息抜きに過ぎず、周囲からは「一銭にもならないのによくやるよ」と呆れられながら、担当著者であった津田大介さんに紹介されて、ちょっとだけバズッたりしていた。
2012年の夏に転職したとき、最初にエッセイ連載の話をくれた編集部から「Twitterやザ・インタビューズみたいな感じで何か書いてくれればいい」「いずれは本にしましょう」と言われて、遊びで書いた長文が、業界でいうところの「サンプル原稿」としても機能するのだということを初めて知った。私が勤めていた出版社は昔気質なところがあって、そんなものが企画会議を通るとは思えなかったので大層驚いたものだ。
先日、『音楽と人増刊PHY』にBUCK-TICKについて寄稿し、『音楽と人』本誌4月号に高橋徹也のインタビュー記事を書いたのだが、この雑誌の編集長も「昔ブログかどこかに書いていたあの文章みたいな感じで」と、大変ふんわりした執筆依頼をくださり、そもそも読んでいたことにも、そしてそのことを憶えていてくれたことにも、心からびっくりしてしまったよ。
「ザ・インタビューズ」はとっくにサービス終了してしまっていてもうサイトも跡形もない。WebArchiveの魚拓を辿って過去記事をサルベージしてみたが、発掘できたのは全回答193件のうち、188件までだった。そのうち186件(いくつかとりまとめたので記事件数では154件)は、ここで読めるようにしてある。削った2件はかなり長めの観劇感想で、そのまま公開するのが少々憚られるため、いったん下げておく。いずれ他の観劇感想と一緒に掲載予定。
残りの5件については私もまったく思い出せないのだが、うち2件は「おとなになるってどういうことでしょうか?」「なにかに、または誰かに嫉妬する気持ちはどう対処しますか?」という質問への答えだったようだ。今ならどう回答するかな。昔書いたもの、すっかり忘れてしまっていて、読み返すと面白い。この楽しみを持続するためには、今から日記もちゃんと書いておかないとね、と思う。思うだけ。