先日、久しぶりに「note」を更新した。寝て起きたら結構な反響があったようで、わざわざ嘆いてくれる読者もいたのだが、数日経ってもそれで新しく過去記事が買われたりといった動きはないようだ。すべての潮時だな、と思う。想いはすべて以下の記事に書いた通りです。一昨日から続く「閉じるべきチャンネルは閉じて断捨離し、独自ドメインに集約化させて、日記を書いて、無料で公開することに、立ち返る」という気分の延長線上にある。
cakes終了とともにnoteを閉鎖します。https://note.com/okadaic/n/n919b9dfef32d
朝起きて測ったら体重が2キロくらい増えていてギョッとしたのだが、慌てて30分ほど走ってシャワー浴びてから測ったら元に戻っていた。代謝、代謝。参院選の選挙速報をざっと観る。結果に言うことはないのだが、今後もやっていきましょう、インボイス反対、自民党改憲案反対。それにしても、在外公館投票というのは手応えがなくて非常に不安になる。各地の選管が無理なら外務省あたりが「ちゃんと現地に届いて開票作業してますよ」といった風景写真の一つも見せてくれないと、自分の一票がカウントされているのか不明のままだ。もちろん日本の投票所でも同じことなんだけれども。早くネット投票できるように環境整備してほしい。
11日は、タイムズスクエアの一等地に位置する東宝株式会社のニューヨークオフィスを表敬訪問する。建物最上階からはタイムズスクエアボールが間近に一望でき、本来ならば社長などのエライサンが座るような窓辺の椅子には、俺たちのゴジラさんが座っておられた。こんな厳かな応接室が他にあるか。新進気鋭のミュージカル脚本家と若きスター俳優とともに、ブロードウェイの無い国がいかにしてオリジナル作品を育てるか、輸入物上演にまつわる経営戦略の難しさ、訳詞家をはじめとする若手クリエイティブスタッフ養成の重要性、やっぱ宝塚歌劇と劇団四季と音楽座ってパネエよな〜(それはそう)、などなど、国際事業担当のお話を伺って議論白熱、大変勉強になった。
いったいどうしてそんなことに……? というのは自分でもよくわからない。私が何か情報提供できたわけでもないのだが、全オタクの霊圧を背負って「東宝ちゃん(概念)の『ルサンク』(概念)も欲しい! 安い同人印刷所なら教えるので上演台本と訳詞集を売って!」つって「や、そういう問題じゃねえのよ」とあしらわれる応酬ができたので満足です。やっぱりそういう問題じゃねえのか……過去作の円盤売れとは言わんからせめて戦後作品すべての資料映像アーカイブ化事業に着手してほしい……そこにはたっぷりの歴史的意義とちょっとのビジネスチャンスがあり、演劇研究者やクリエイター志望者の糧ともなるはずなのよ、俺たちオタクは帝劇コンサートで『モルガンお雪』(1951)をちょろっと聴いただけであんなにアガッたのだから……オッハッヨ〜!! コンニッチハ〜!!(本当に何しに行ったんだこの人)
夜は新聞取材が一件。普段、他の仕事のZoom会議にはちょっと濃いめに眉を描いた程度の実質すっぴんで参加しているのだが、久しぶりに同じ照明環境で似たような時間帯に外出用の顔を作った状態で出たら、別人のよう。取材に応じながらも「なんだこの化粧の濃い中年女は……」と自分で自分に驚く。また、この2年半くらいでZoomの機能向上により、画面のプリクラ化、キレイカメラ化が進んでいるのをひしひしと感じる。だって明らかに鏡で直接見る顔面と違うもんね、1化粧すると10映えるくらいの盛られ方だ。ブスに映るよりは有難いけど、余計なお世話という気もする。詳細はそのうちまた告知します。
12日はものすごく暑かった日。窓を開けても空気がもったりするばかりで換気にならない。日本からEMSで届いた荷物が、中身の価値(税関に申告義務がある)は数百円程度なのに送料が3900円もかかっていてビビる。コロナ禍で日米の郵便事情がガッタガタになったのがまだ元に戻らないのか、もしかして円安の影響もあるのか、数年前とはまるで違う状況。速達みたいなスピードで届くときもあれば、どこ回りの船便だよってくらい遅いときもある。ちなみに米欧便もなかなかガッタガタで、米国側玄関に届いてから配送状況がまったくトレースできずに何週間も待たされたりする。UKから来てニュージャージーで10日近く止まっている小包があって、こちらは普通に人手不足じゃないかと疑わしい。個人だからまだよいが、「全世界配送無料」を謳うようなビジネスなど、ちゃんと回っているのか心配になる。
送ってもらえばいいやと考えていた仕事絡みのあれこれ、こちらから欲しいと言い出しにくくなってしまったなー、と思っていた矢先、某出版社の担当氏から5000円分のAmazonギフト券が届く。「紙の資料をお送りするよりよいかと思って、該当書籍の電子版の購入費にあててください」とのこと。いや、本当に、そうですよね……!! やらしい話ですが、双方同じ「経費で落とす」にしても、海外発送料に3900円消えるくらいならその分を頂戴して「本を買う」ことで経済を回したい、なぜなら私もあなたも一冊でも多く本が売れると嬉しい仕事に就いているから……!!
ほとんどの仕事用資料は自腹で買っているし、そのほとんどは渡米後に電子書籍版となったが、出版社からこうした申し出を受けたのは初めてだ。もちろん「必要なものを入手して該当箇所をスキャンしてPDF化して送ってくれる」とか、別のかたちで多大な労力を割いてくださる編集者や校正者やその他のお仕事相手はいたけれど、パッと「電子とカネ」で問題解決する年若い編集者、頼もしく感じる。ちょうど冒頭の「note閉鎖宣言」直後だったのもあり、インターネット越しに送られてきた5000円が5000円の額面を超えて「これでいい仕事しましょうね」という未来への激励のように感じられたのだった。やはり投げ銭には投げ銭だけが持つ独特のパワーがある。そのことを実感しながら、鼻で笑う者には反論もしながら、せっせとnoteのような試みを続けていた時間も無駄ではなかったよな、と考える。この合理的かつ謎にハートウォーミングでもある手法、誰かと協働するとき積極的に真似していきたい。
ジムでインドアローアーというものを初めて試した。室内ボート漕ぎ。ドラマ『ハウスオブカード』で主役のアンダーウッド夫妻が何か起こると地下に籠もって鬼の形相で漕ぐマシン、という印象があまりにも強烈で、あの夫妻と同じものなんてとてもとても……と尻込みしていたのだが、なんか最近、若い女子たちみんな漕いでる気がするので漕いでみる。楕円運動のエリプティカルとも下半身特化型のフィットネスバイクとも違い、慣れないうちは上半身がきついなと思うものの、だんだん全身運動の実感が湧いてくるのが面白い。関節に負担が少なく短時間で消費カロリーが高くダイエット目的の有酸素運動にはぴったりなんだそうですよ。そりゃ若い女子たちみんな漕ぐわな。夜は一皿のステーキを二人で分けて食べる。運動した話の後に書くとめっちゃ意識高そうな食生活に聞こえるけど、言うまでもなく、もとの量が多いだけです。