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ザ・インタビューズ転載日記(本の収納)

本の収納はどうしていますか?取っておきたい本、手放す本、開架の本と閉架の本の区別など、何か自分なりの本の整理法収納法があれば教えてください

こちら( https://okadaic.net/archives/2116 )で答えてしまいましたが、今ちょうど引っ越しをして数箇月経ったところで、旧宅で採用していた整理法収納法をいったん捨て、新しい部屋に最適化された方法について探りながら、少しずつ片付けているところなのです。ですから、あまり具体的に確立した整理法収納法を回答できないと思います。数箇月も経っているのにまだそんな状態かよ、というツッコミは甘んじて受け入れます。

そもそも引っ越しをしたきっかけの一つは東日本大震災でした。旧宅は少し広めの縦に細長い1Kで、窓のない壁一面をすべて本棚にしていたのですが、震災後の自宅待機日に部屋で終日テレビ報道を観ながら、一間でベッドのすぐ脇まで本棚が迫ってくるというレイアウトはいかがなものかと反省し、床面積でみると狭くなりましたが小さく二間に分かれている今の部屋へ転居しました。押し入れのある寝室と小さな書斎、という使い方を想定した間取りなのですが、自分の生活スタイルを考えて、押し入れのある書斎と小さな寝室、と機能を入れ替えています。

以前より手狭になったので本棚(IKEAのBILLY、銀色)を半分処分して、開架の本棚には活字の本だけを並べ、押し入れを閉架の本棚にして箱詰めした漫画を収納しています。当然、この配分でいくと活字の本があふれだすので、なるべく四六判を優先にして、雑誌や大判のビジュアルブックなどは箱詰めにして本棚の前に積んであります。漫画を大量処分してから、ゆくゆくは文庫や新書も押し入れにしまいたいものです。ゆくゆくはね……(遠い目)

ここに至るまでさまざまな整理法収納法を試行錯誤してきましたが、(1)「活字の本」「漫画」「雑誌その他の大判本」「自分が制作に関わったもの」の四つに分ける、(2)「活字の本」を、未読/既読で分ける、(3)既読の活字の本を、担当著者の本/その他の仕事用/完全な趣味本で分ける、(4)棚ごとに判型を揃えて本棚に並べる……という分類の仕方だけは、ここ数年ずっと変わっていないように思います。「作家名で五十音順に並べる」「1つの棚ごとに1つのテーマで並べる」なんてもってのほかです。とにもかくにも狭いスペースにいかにたくさん詰め込むかと、多少散らかっても検索性が損なわれないことが大切。作品内容がどんなか忘れていても「既読の単行本で××さんが書いたやつだから、この棚になかったら向こうの箱かな」などと位置情報が絞り込めるのが理想的ですから。

漫画は、買ってすぐ読むので未読本がさほどたまらない。そして漫画や趣味本を読み返すのはうんと暇なときですから、探す手間も娯楽のうち、閉架式で十分です。週刊連載などで巻数の多いものは同じサイズの紙袋に巻数順に詰めてユニット単位で管理しています。一方で活字の本は、すぐには読めずとも新刊のときに買って「積ん読」状態にだけでもしておかねばならない課題図書が多い。だから未読/既読を分けておくのが大事です。大判本は単に収納に非効率なので分け、雑誌はゆくゆくスクラップするので最初から本棚とは別のマガジンラックに置きます。

一番多いのは「仕事用に手放さずにいる既読の活字の本」を、出勤前などのものすごく短い時間で探さねばならないシチュエーションです。とくに装幀や版面設計の参考資料にするときなど、ただ一目見ればいいだけなのにやたら時間をかけて部屋じゅう探しまわることになるので、これが埋もれないように、ということだけ気をつけています。あとは「未読だったのに、山に埋もれてしまっていつの間にか読むのを忘れる」というのもよくあることなので、未読本は未読本で床から積み上げる式のタワーを作るなどして己を戒めております。このタワーにつまづいて雪崩を起こしたりしたときは、罰として朝まで耐久レースで読めるだけ読んで消化したりしております。

……以上、ここまで読むとものすごく整理整頓された本棚を想像されるかと思いますが、これらは旧宅で敷かれていたルールをもとに描いた「設計図」です。現状は、引っ越した直後にとにかく床が見えないほど積み上げられた段ボール箱をどうにかつぶしていくために、(4)棚ごとに判型を揃えて本棚に並べる、というのだけ実行した有様で、つまり、施工前の段階です。はっきり言って、地獄絵図です。いや、待って、違うんだ、頭の中にはものすごくちゃんとした完成形があるんだ、「設計図」は完璧だ、部品ユニットくらいまでは組み上げてある、ただ、それを実際に一個の大きな模型として組み立てられないだけなんだ……(ふたたび遠い目)

本を手放すタイミング、というのは非常に難しいものですね。本棚の数を半分にしたのは、蔵書の量を半分にしようという決意のあらわれです。以前より狭い部屋へ転居したんですからね。とはいえ、少部数の単行本書籍などは手放したら二度と入手できないかもしれないと不安になるし、捨ててもいいような本なら最初から買っていないので、増えていく一方です。私が教えてほしいくらいです。