いやーもうまったくひどい、この日記の、あまりの更新しなさ。というわけで、心を入れ替える意味でも再開しておきます。と、再開するたびに言ってる気がする。もうどうしようもないな。「+告知」と書くとプラスが十字架に見えて「受胎告知」しか連想できない。巻末にあります。
7月の東京滞在の間にビザの切り替えが終わり、8月の初旬はOpenJarでのボランティア。己の無力さを思い知らされつつもブロードウェイミュージカルファンとしては垂涎の、本当に非常に素晴らしい体験だった、のですが、なんで日記書いてないの俺……? 二度も日本へ帰ったのだからもう海外旅行は控えようかなと思っていたらあっという間にバカンスが過ぎてしまい、夏休みの終わりになって慌ててシカゴへ小旅行などしてみた。「その他のアメリカ」最大級の都市、という感想。「その他のアメリカ」というのは、「ニューヨークとはいったいどのように特別な場所なのか?」を考えるために編み出した暫定的な概念である。「アメリカというものをうんと栄えさせるとシカゴのようになるが、それをさらに栄えさせてもニューヨークのようにはならない」みたいな。これは「巨大都市ズートピアと田舎町バニーバロウは明確に分けて描かれているけれど、同じ世界観に『国境』という概念は含まれていない」とかいうのにも似ている。アメリカ合衆国の全容は掴みづらい。もっと国内旅行たくさんしようと思った(小並感)。
火曜日、今日から2016年の秋学期が始まる。最初の週はシラバスを集めつつ様子を伺う感じ。1限は「Spatial Graphics」。前評判がまったくわからず、できれば朝一番の授業は避けたいし、と及び腰だったのだが、行ってみたらものすごく楽しそうだったので履修を決める。ただし講師の雰囲気がなんとなく……前学期にさんざん苦しめられたヘレン様に似ている、気がする……。ヘレン様も第1週はめちゃめちゃ優しかったのに翌週から鬼軍曹と化したからな。油断大敵。PSAMというコードに分類される選択科目で、コミュニケーションデザイン学部BFAの3、4年生が多く、AAS-GDは私だけのようだった。その意味では前学期の「Beyond the Pages」に似ている。知ってる人が誰もいない授業というのは他の大学に通っているみたいで楽しい。教室が6E16thの12階というのもよい。のだけど、仕切りが薄くて反響の激しい12階の教室でみんなボソボソしゃべるので非常に聞き取りづらい。次から席取りを考えないといけない。最初の課題は展覧会のデザイン。
2限は「Advanced Typography」、3学期目ともなるとAAS-GDの専科の講義は顔見知りだらけ。同学年の子、一期下の子、久しぶりに会う子、Hが夏休みにNの結婚式に行ったとかゆって写真を見せてもらう。私は呼ばれてないけどな……いや、みんな呼ばれたけど行けなくて、出席したのHだけというのが面白い。Sが「育がInstagramにあげてたイパネマスタルクが超かわいかったから私も買おうと思ったけど、あんな素材のサンダルに30ドル以上は出せない!」と言いつつ「でも無印良品のノートはどんなに高くても買ってしまう……こんなのインドでは1ドルしないのに!」と吠えていて、相変わらず。東京でも3ドルしないよ。Rが話のきっかけに「髪切った?」とまた外見を褒めてくる。かわいすぎか。好青年すぎか。講師のDavidは大学を出て大学勤めて、教員になったばかりという。校舎には慣れきっているけど教えるのにはまだ不慣れな感じ、すかさずCが学級委員長ぷりを発揮する。ちなみに初日はタイポグラフィの歴史のおさらいみたいな座学から始まったのだが、「ジェシカスヴェンセンが! 俺だけのジェシカではなくなってしまった!」とアオイホノオごっこが捗った。
Advancedクラスなのに全体的に若い感じがして、生徒との距離が近くてよいなと思ったが、1限を取るならこちらを落とさないといけない。授業後に10階ラボへ行くとJがまた80sプレイリスト流してひとりカラオケ大会していた。割と下手なのが好感度高い。かわいすぎか。あの容姿で歌まで上手かったらむしろ株下がるわ。……という調子で、これからしばらく学生のことは面倒な説明抜きのイニシャルトークで書いてみようと思ったけど、これ数年後に自分で読み返してわかるんだろうか。日本語読めるクラスメイトの皆さんだけニヤニヤしてください。
そしていよいよ4限は我らがDmitryの「GD3」だよー! 「きみたちスーパーラッキーだね、なんとこのクラスは……週に2回もあるんだよ!」(※周知の事実)。イントロから相変わらず萌えしかなかった。聖闘士は一度履修した講師を二度と履修しない、在学中に一人でも多くの講師から学ぶ、と心に決めていたのだけれども、GD3を受け持つと聞いて辛抱たまらず禁を破って二度目の履修である。4学期で3コマもドミちゃんに費やすとは……。しかし中には、3学期で4コマもドミちゃんに捧げている猛者もいるのだった。そして日本人学生以外にも多種多様な「ドミおかわり」組が集結していた。何がそんなに刺さるのか自分でもよくわからんのですが、囲碁将棋のプロ棋士と話しているときを思い出すような超一流のオタクであることと、講義中にキラーフレーズを連発することが大きい。具体的な指導内容というより、生徒に何か概念を伝える際の言い回しがすごくよくて、ノートが捗る。ただ、フレーズだけメモしても、それを口にしてるときの彼の「よさ」みたいなものまでは書き留められないのだよなー。身振り手振りまで含めた「よさ」、プライスレス。あと、参考文献リストにTimの本を載せて絶賛してたけど、やだこの二人どういう関係なの二人きりのときどんな話してるの想像するだけで萌える。最初の課題はマークとシンボル。
隙間時間にあたる3限にインターンシップにまつわる講習会を2つほど受けた。最初に受けた「就職活動のイロハ」みたいなほうは、駿台予備校のチューターか、というくらいハキハキしゃべるおねいさんが履歴書の書き方や面接の心構えなどを教えてくれる。私、日本語ではこういうの得意なほうだし駿台でチューターもしましたけど、これから何十年英語使っても、こういう話し方には至らない至れないのだろうなぁと眩しく眺める。もう一つは「外国人留学生のための学生ビザでインターンする方法」講座で、夏の間にビザを切り替えた私にはあまり関係ないのだが、向学のために参加する。自分と同じく英語に難ありな留学生たちが、それでもガツガツまくしたてて仕事を得るための質問している様子を見ておののく。「なんでとっとと働かないんだよ」って言われる。本当ですよね。英語どうにかせねば。
はてさて、渡米2年目に突入し、今学期のテーマは「仕事と学生生活の両立」です。晴れて就労可能ビザに切り替わったので、丸1年ほとんど開店休業状態だったあれやこれやを少しずつ再開させていきたいと思います。働きます! 働けます! 頑張ります! マイナビニュースの連載「女の節目」は8月中旬から「未体験編」に突入、あと数回で終わる予定。コンテンツプラットフォーム「cakes」では、腐女子座談会の最新回と、新しいテーマの連載を準備中。紙媒体では古巣『婦人公論』の海外女性通信、ウェブ媒体ではKKベストセラーズ「BEST T!MES」の特集枠でも不定期に書かせていただくことになりました。あとは仕事じゃないけど、同人として参加している夏コミ新刊『久谷女子便り9.5号』もアリスブックスさんで通販開始しています。もろもろよろしくお願いいたします!