ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2006

 小坂忠と細野晴臣の競演で「伝説」となった昨年に引き続き、はるばる狭山まで行って参りましたHMF2006。1日目だけだし、かなり遅れての参加だったけど、やっぱり行ってよかった。

 詳しいレポートは、こちらの公式サイトへ

 http://www.mag-express.com/hpe06/

 稲荷山公園にあがた森魚の「冬のサナトリウム」が流れ出し、そのまま一気に「サルビアの花」「赤色エレジー」から、「サブマリン」「佐藤敬子先生は〜」「ダンスステップ」「大寒町」と、たたみかけるように熱演。あがたさん、すごい元気だった。躁鬱でいうと躁みたいな状態。「去年の“伝説”、聞いてるからね!」と非常にテンション上がっていたご様子。バックはなんと、矢野誠・渡辺勝・武川雅寛に渡辺亮という素晴らしいメンバー! ステージ上にたしかに、はちみつぱいが見えました。眼福。

 ボーカルが入れ替わり立ち代わる高田渡トリビュートバンド。朝一番の登場で見逃してしまったハンバート・ハンバートの「ブラザー軒」が泣けた。今野英明の「値上げ」もよかった。元ラリーパパアンドカーネギーママのチョウ・ヒョンレの暗いMCも忘れられない。シバ氏を挟んで、最後の大合唱もよかったなぁ。今日のハイライトです。

 途中、オレンジ・カウンティ・ブラザーズの面々がうちのビニールシートに来て、同行者たちとまったり歓談して帰って行った。ステージに間に合わなかった私は縮こまってやりとりを聞いていた。いやー、本物の酔っ払いですね彼ら。あんな大人でいいのかな。いいのか。

 アサイラム・ストリート・スパンカーズのステージは最高に楽しかった! チチ松村さんが見たがっていたというのでどんな演奏かと思いきや……ビールビールビールビール・ウィー・ラヴ・ビール!! むちゃくちゃです。「次の曲は2種類の音楽の画期的なフュージョンです。カントリーウェスタンとギャングスタラップ!」なんてMCの後に、本当にラップが始まったので腹が捩れた。トサカ兄ちゃんはどう見てもイロモノだったが、よく聞くとヴァイオリン超うまかった。私もウォッシュボードが欲しくなった。

 向井秀徳のお経は寝てしまった……。同行者(50代ばかり3名)から口々に「あの人、若者には人気なの!?」と訊かれて口ごもる。まあ、たしかに、総立ちになってた連中はトリの伊藤銀次バンドが始まる前にサーッと帰ってしまったからな。客寄せパンダの役は見事に果たしていたのではなかろうか。いや、私は途中から寝ていたので何とも……。

 最後は、伊藤銀次と村松邦男と杉真理の3ボーカルバンド!! すごい! 夜も更けたあたりに、さらりと「こぬか雨」や「ダウンタウン」を歌ってくれちゃって、やっぱり生はイイ! 野外はイイ! と実感。アンコール時、「『風になれるなら』やって!!」とほうぼうから悲鳴に似た叫び声があがるが、淡々と別の曲を演奏してまばらな拍手の中を去っていったトリ。さまざまな意味でかっこいい。

 しかし、最後の最後なのに客が誰一人として立たなかった(笑)。伊藤銀次が歌う「ダウンタウン」を、芝生に体育座りで聴かねばならないなんて……一種の拷問ではなかろうか。立ちたい! 踊りたい! だが、これこそがハイドパーク・クオリティ。へたに立ち上がると後方から「見えない」と苦情を言われる。曲が終わったところで割れんばかりの拍手、しかし挙がった両手の位置が低い……みんな座っているからな。いいフェスですよ本当。

 何がしたいのかよくわからないが、去年の大混乱の反省をふまえてか、入場制限で客を3000人に絞ったらしい。そうやって細々と続いていくのがハイドパークらしいといえばらしいのか。私は楽しかったですが、来年どうなっているのか気がかりでなりません。屋台では、とろろ屋さんの牛すじ煮込みが超! うまかったです。あれは来年も食べたいです。

 伝説の2005年は、DVD化決定ですってよ。正しい。あんなキラーコンテンツはないだろう。団塊世代なら倍額払っても買うんじゃないのか。私はこの値段でありがたいですが。本部テントの下にある宣伝用モニターに延々と高野寛のド・アップが映されていて、 ……買うしかないと思った(鼻血)。