2015-07-30 / 渡米前後日記

なんとか無事に四谷のマンションを引き払い、本日からホテル住まい。タクシーを降りてポーターに預けた荷物は、大型スーツケースから紙袋まで計10個。10本指で指差し確認する。多いな。

宿泊先の最寄りは銀座界隈なので、出発直前まで、東京のシアターディストリクトにおける観劇オタクたちの楽屋出待ち光景を眺めて過ごすことになる。有楽町阪急には帝劇『エリザベート』の垂れ幕、日比谷シャンテの脇を通って、東京宝塚劇場とシアタークリエ、日生劇場を横目に、勝手知ったるコリドー街で晩ごはん。なんだか、あまりにも通い慣れた道すぎて、日本を離れるという実感がわかない。昨日までプレビュー公演に通い詰めた『貴婦人の訪問』本公演のポスターがあちこちに飾られていて、でももうこの公演期間には私は東京にいないのだよな、とせつなくなる。けど実感がわかない。うっかりチケットを引き取りに行きそうになる。

チェックインを終え、「最後の晩餐」を何にするかという話になり、うなぎを食べに行く。ニホンウナギもヨーロッパウナギも国際自然保護連合から絶滅危惧種に指定されたということで、最近はさすがの私も無闇に食べるのを自粛しているのだが……だからこそ、一片の悔いも残さぬように「最後のうなぎ」を美味しくいただいた。