ザ・インタビューズ転載日記(浦井健治)

期待している若手役者はいますか。



せんせーい! 浦井は若手に入りますかー?(バナナはおやつに入りますか的な意味で)

さりげなく失礼きわまりない逆質問で幕を開けましたが、国内ミュージカル市場においては浦井健治30歳、が頭抜けていると思います。呼び捨ては愛情表現です。未来優希と石川禅をはじめとするベテラン勢が素晴らしすぎて私の脳内で題名が『ばあや&キャピュレット』と上書きされたあの『ロミオ&ジュリエット』において、フレッシュな若手と本業ダンサーの人たちばかりで構成された迷える小羊の群れの中、安心安定のクオリティで孤軍奮闘お歌を牽引していた、さながら牧羊犬のような浦井ベンヴォーリオ……あいつ本当にいい仕事してた! ロクサーヌ風に言うと、舞台が「少しマシになったわ」!(←すでにして失礼)

わたし最近ようやく井上芳雄と山崎育三郎の区別が付いてきたんですけど、そこに田代万里生が混ざると自信ない、というくらい、当代人気の若手役者には興味ないんですよ。もう鹿賀パパと市村ママがいればジャンミッシェル役も神田沙也加の彼氏も誰でもいいよ、並べて一番背高いのが城田優だろ、みたいな。ここすごく重要なんですけど、私は「期待の若手役者を観に」劇場行くことはないから、どうしても「贔屓のベテラン役者を観に行ったついでに片手間で若手も物色する」感じなので、いつまで経っても個別認識できないのね。あと浦井がイイって言っても助演しか知らないからね。今までに観た回数のたぶん3分の2以上が、女にフラレそうになって「ぼぐばじぬー!!」って鹿賀様に泣きついてた『シラノ』のクリスチャンだからね。ぶっちゃけ他の芝居でイケメンな役ついてるのとかよう知らんからね。そんなんでよく私の心を掴んだよと褒めてやりたくなります。(←上から目線が失礼)

でまぁ、例の井上万里三郎みたいな人たちは(←マジ失礼)、今の調子でどんどん王子様っぽい役を続けていれば、だんだんファンがついて様付きで呼ばれて、ゆくゆくは「若くて踊れる山口祐一郎」みたいなポジションで看板を張るようになるのだと思うのですよ(←双方に失礼)。別に私が期待しなくてもセンターに立ってそうだからいいや、と。一方の浦井は、まだまだ若い身空でありながら、ちょっとそのキラッキラ王子様系のルートから外れつつあるのが、すでに興行主側からも「華が必要なときはこっちの若手を、うるさがたの観客向けには浦井を」と見越したキャスティングしつつあるように見受けられるのが、なんとも頼もしく、じつに好ましく、かつ最も心配で、なんかほっとけないキャラですよね。あの器用に何でもこなす名脇役ポジション、便利屋稼業で玄人好みの名演を魅せつつ、あまりに実力派すぎて若い婦女子に軽佻浮薄にキャーキャー言われるのとは何か違う感じ……要するに、ぐっさまというよりは禅ちゃんの後継者みたいになりそうですよね……。あれこれ不安定なスター役者が主演する際の、その親友役とかさ、ものすごく完璧にこなしそうじゃない。それで親友役が長すぎると主演に格上げされないの繰り返しとかさ、ありがちじゃない。平たく言うと「このベンヴォーリオ、40代になったらアターソン演ってる臭いがプンプンするぜェーッ!」という。ほっとけない。(←どこから謝ればいいのかわからないほど失礼)

いや、いいんですよ、別に主演張るだけが役者じゃないですから(←※編注:浦井さんは過去にいろいろ主演作もあります私が観てないだけです超失礼)。生粋のスター俳優・鹿賀丈史のファンだから誤解されがちですけど、私、本来は、石川禅とか浦井健治みたいな役者に入れあげて、主演に興味無いのに助演のために何かを観たりするようなタイプなんです。ええ、鹿賀丈史が例外なんです。でもなぁ。先日『三銃士』でうきうき楽しそうにダルタニアン演じてる井上芳雄を観ながら、「そういえば浦井あたりも、年増に挟まれてクリスチャンとかアルフレートとかばかり演ってないで、こういう作品でのびのびセンターで歌い踊ってもいいのになあ。お、それは観てみたいぞ?」とふと思ったのです。それがベンヴォーリオで確信に変わったと。一方で、いつまでもアホの子クリスチャン役がお似合いな浦井でいてほしくもあるのですがね!(←もう本当に失礼) というわけで『シラノ』再演マダー!

……といった内容のことを漠然と考えていたところに、「LAPICIA」のかのこさんによる素晴らしいブログエントリがあがっていたので、リンク貼りたくてこの回答を作りました。後半部分、「みんな浦井健治みたいになればいい」という記述に胸打たれます。全面同意。ジュリエット含めて全キャスト浦井がやってくれて構わなかったよ。私は、「浦井くんに」期待しているというか、「すべての若手役者に浦井くんのようであってほしいと」期待しているのかもしれませんね。
http://bambina22.blog115.fc2.com/blog-entry-288.html

私にこんな質問をくださるのはきっとミュージカルファンに違いないと思ってこんな回答にしてみました。前述の『ロミオ&ジュリエット』では、昆夏美とフランク莉奈のWジュリエットも、青田買いの価値あったなぁと思いました。あとはロバートマッジとハリーチャイルドが「二十歳過ぎたらただの人」にならずミュージカル作品に出演し続けてくれることを祈るばかりです。

もうちょっと広義の役者全般でいうと、誰かいるかしら。基本的にストライクゾーンは中高年男性と幼女なので、よほどのことがないとその中間に位置する「若手」には着目しませんね。一時期、小さな大女優ダコタファニング様に入れあげていたことがありましたが、彼女も大人の女性になってしまったし。とはいえ若手か。そのくらいですかね。