2016-02-16 / ぬかるみ

火曜日。雪の積もったところを雨が洗い流した結果、通学路の公園がぬかるんで土崩れを起こし、舗道のほうまで泥まみれになっていた。文章で書くとさほどでもないけど、これが結構しょんぼりする光景。夏の陽気のよい時期の美しさを知っているだけに、そして暖冬や雪景色が続いていただけに、ようやく「冬の公園」の物悲しさのようなものを目の当たりにすることになった。たぶん4月くらいまで雪と雨を繰り返してこんな感じなのだろう。
風景のせいにするわけではないけど、冴えない一日だった。授業はどちらも宿題のプレゼンテーションとcrit(講評)で終わり、そのほとんどを講師が話しっぱなし、どの学生のプレゼンもクラスメイトからの反応は極めて薄く、みんなが「早く終われ」と思いながらじっと二時間半を耐えている空気があり、そのことに講師が少々イラついている、しかも一方は生徒16名分のプレゼンが3分の2くらいまでしか終わらなかった。私の提出課題はいずれも中途半端、びしびしツッコミを受けつつも、「なんでもっとやってこないの?」的なことを訊かれても「そこまで駒を進める時間が取れなかった」という理由しか出てこない。仕事と同じく、これは(たとえ実際そうでも)絶対に言ってはいけないフレーズなので、適当に言い訳して、それがまた教室全体をイラつかせる。そんな雰囲気の授業が2コマ続いて、悪いのは自分なんだけど、くたびれ果ててしまった。
この火曜の2コマ、痛覚の鈍い学生にとっては宿題さえやっていけば後のことはとやかく言われないという点で「楽勝」科目なのかもしれず、そういう態度のクラスメイトもちらほらいる。しかし私はその宿題にやたらと神経を磨り減らしてしまい、同じ曜日で履修したのは大失敗だったなぁ、と早くも反省している。木曜のほうがキツいだろうと想像していたのに、番狂わせ。それでまた、講師が二人ともものすごいマシンガントークで、かつ、同じペースでお言葉を返してガシガシ立ち向かってこない学生、つまり非英語圏からきて英語習得をサボってる私のような学生に対して、相対的に当たりの厳しい感じが、どことなく似ている。一学期目は初級編の科目ばかりで、むしろ言葉のおぼつかないヒヨッコ留学生ほど目をかけてヨチヨチかわいがってくれるような講師が多かったので、スイッチの切り替えが必要、急務。いやー、木曜の授業がそうなんだと思って木曜1コマ火曜2コマにしたのになー。番狂わせ。どんなに事前に時間割こねくりまわしても実際に履修してみないとわからない大変さ。
ウェブデザインのほうは講師と授業後にマンツーマンで改善案について話して、その数分間は非常に生産的だった。ずっと怪訝な顔を崩さなかった講師が「なんだー、それならばっちりじゃーん!」と晴れやかな表情になったのが嬉しい。要点まとめて準備をちゃんとしてスケッチ見せながら一対一で話すなら困らないんだよ。人前に立った質疑応答で、用意していた答えと、他者の意見を吸収してその場で得た思いつきとを交えながら、まったく新しい話をぽんぽん展開させていく、みたいな(日本語圏でなら小学生の頃から割と得意だった)ことが、全然できない。自分がどんだけ「口」に頼って生きてきたのか思い知らされる。その「口」は地球上のせいぜい1億人にしか届かず、この国においては、まったく使い物にならない永遠の禁じ手である。凹。いや英語のチュータリング通えよって話なんですけどね。