2016-03-06 / 3月の第1週、日曜、有言実行

あんまり記憶がないけど、午前中はMacのセットアップでもしていたのかな? それともだらだら「刀剣乱舞」でもしていたのかな……。ブラウザ版ゲームは海外接続ができないのだが、3/1から携帯端末アプリでも遊べるようになり、半年以上ぶりに審神者復活。
で、集合時刻を1時間も間違えて20分近く遅刻しつつ、吉田けえなさんとソーホーの「Maman」であたたかくて甘いものを飲みながら、おしゃべり。めっちゃ楽しかったけど内緒話が多かったかな。長い話を短くまとめると、「意を決して日本を飛び出してみたら、外の世界はどうしてこんなに居心地がいいんだろうね!」というような、果てしない共感。とはいえ、ただ飛び出しただけではダメで、学校で語学を学んでいるようなお客さん段階を終えたら、次は「この街に住み続けながら、自分に何ができるか」が問われる。あちらの新プロジェクトの構想を聞いたり、こちらの夢物語に相槌を打ってもらったり。あとは、恋愛や結婚、子育てまで含めて「40歳までをどう過ごすか」みたいな? 閉店で追い出されるまで話し込んでしまった。
「夢は、口に出すと叶う」という自己啓発的なフレーズ、若い頃はとことんバカにしていて、私はずっと「不言実行」こそが一番かっこいいんだと信じて生きてきた。目の前にあるチャンスをなんでもかんでも迷わず掴んだり、途中経過の間はじっと黙って耐えながら成果だけを人前でぱあっと花開かせたりするには、この考え方のほうが有効なときもある。でも、夢の国アメリカは、ことあるごとに何者でもない私に「あなたの目標は、なに?」と問いかけてくる。短期目標、中期目標、長期目標、死ぬまでにこれをしないと悔いが残るってもの、どれだけある? そのために今、何をしてる? と言外に訊かれ続ける。
仕方ないので、いつでもパッと答えられるように、なるべく嘘のない「回答」を用意しておく。すると、適当に言っていたはずのそれが、いつの間にか人生の道筋を決めていく。年齢も年齢だし、夢などという不定形のものをいちいち出し惜しみしても何もいいことないので、ばんばん口に出して言うようになった。言葉が拙いので、どうしても極めて少ない単語数の断定口調になる。それで、気がつくと初対面の人にまで「俺、ビッグに、なる! 世界、変える!」みたいな(若い頃は、そして日本語では、恥ずかしくて言えなかった)ことを告げているし、親しい友人には「……って言った手前、そろそろ着手しないといけないんだけど、どこから始めるのがいいかなー」と腹を割って相談している。この「有言実行」を強いられて慌てふためく感じ、今までと同じ自分ではない別の何者かに「うっかり」なってしまいそうな「瓢箪から駒」的スリルが、今の私には心地いい。
夜は、春休みを利用して日本から遊びに来ている親戚たちと一緒に、ギリシャ料理レストランへ。SNSでつながっているとはいえ、久しぶりの再会。「しばらく会わないうちに、すっかりニューヨーカーって感じだね、メガネとか!」と褒めていただいたが、何度でも書くように、これは銀座の「KAMURO」で買って東京でもかけていたメガネです。とはいえ、こちらへ来てから、本当に評判がいいし、私自身も、やっと顔になじんできたとは思う。変わらない自分でいるつもりだけど、やっぱり日々ちょっとずつ変化しているのだろう。