2016-09-02 / King of Kings

木曜22時にドミトリの授業が終わってから、ダラダラ仕事のやりとりなどした後で、金曜1限の宿題を済ませていたら案外手間取り、なんと明け方4時くらいになってしまった。毎週この調子でラストミニッツで仕上げるのはちょっとイヤだなぁ……と思うと、学校までの足取りも重い。しかも朝ごはん代わりのジュースも水のボトルも持参し忘れ、5分休憩では外へ買いに走ることもできない旧校舎の上階の教室、飲まず食わずで昼までというのが、つらかった……。休みボケが抜けていないなぁ。
1限は「Portfolio&Process」という最終学期のための必修科目で、今まで学校で作ってきた制作課題をどれだけ素敵なポートフォリオに仕上げられるか、という内容。講師のEmilyはティーンヴォーグの立ち上げに関わったとかトーリバーチのブックデザインにご指名されたとか何とか、友達の紹介で最初の仕事が見つかってその友達が今は夫であるとか、多忙を極めるなかで妊娠がわかったので働き方を変えたけどその後も古巣から声がかかって大きな仕事をマイペースに受けながら学校に戻って教えているとか、まぁ、デザイン科の女子学生がみんな「彼女のような大人になりたい!」とポーッと憧れるような感じの女性。木曜の授業で一緒になった意識高い系美女Aなんかは、話し方から何から、就職15年後は間違いなくこんな感じになってると思う。黒一色のパンツスタイルに朝一番からナチュラルっぽく見えるガチガチのフルメイク、選び抜いたポジティブワードのみを駆使して自分の成功体験秘話を語り始めると止まらない。こういう絵に描いたような人が「勝つるポートフォリオ作成法」を教えるという、なんともあけすけな感じが職業訓練校のよいところ。宿題は今までに作った5作品をPDF形式でプレゼンというもの。ブックカバーを4種類見せたら迷いなく「他3つはいいけど『ジェーンエア・オンザロード』は外せ」と言われて図星。はい、外します。
直射日光がだるい、というくらい疲れ果てて帰宅し、「Smile」で朝食みたいな昼食を摂り、昼寝して、ジャイロ行って、夜は帰国が近づいている藤本由香里さんと一緒に『ライオンキング』観賞。渋谷真紀子さんと『THE RIDE』行ったときと一緒で、あまりにもベタで敬遠してたけど「この機を逃すともう観ないまま終わっちゃうんじゃないか」となって慌てて観る消化試合。でも、今回も、結果的にものすごくよかった。ベタは大事ですよ。『WICKED』『LION KING』はもはや「ディズニーミュージカル」という別の何かになっていて、ブロードウェイで他の芝居を観る感動とはかなり違う、別のインパクトがあるよなぁ。劇場が大きいし物販が充実していて、どんなに歌える役者を揃えていても過剰なほどエフェクト重視のエコーかけたりして、演出以上に音響がアトラクション的というか。そして、主人公シンバそっちのけでマンドリルのラフィキおよびスカー&ムファサの関係性に萌えたわけですが、どれだけ良いと思っても、ディズニーランドのキャストと同じく、中の人である役者の名前が気になったりはしない。演出もまったく色褪せていないんだけど、ハイエナダンスのシーンのレイヴ調の曲だけ「Oh……さすが97年初演……」となった。巨大パペットの動きや照明の美しさはもちろんのこと、移動式スクリーンをテント小屋のように巻いて影絵を投影するとか、水源の渇きを布の収縮で表現するとか、螺旋回転のスピードに変化をつけることで同じセリ上がりでも意味を変えて見せるとか、近年別作品で観てちょっといいなと思っていた演出のほとんどが、もっとずっと効果的にすでにジュリーテイモアにやられていることを、まざまざ確認させられました。あと、カーテンコールで出てきた出演者の少なさな! いや多いは多いんだけど、たったこれだけの人数であれだけの世界作ってたの、という驚き。観てよかった。「Sardi’s」でアンディーブのサラダとラザニアをシェアして解散。