2017-05-15 / リハビリ、卒業週に

日記が滞っているうちに大学を卒業してしまうことになるので、もう何でもいいから書くことにしました。
土曜日は夕方から、坂本龍一映画祭こと「Forbidden Colours: Ryuichi Sakamoto at the Movies」に出かける。詳しくはTwitterに書いたが、『ラストエンペラー』が観られず、ゴネて教授&デヴィッドバーンのトークショーだけ見学、のち舞台挨拶付きで『御法度』観る。しっかしQUADシネマ、改装してきれいになったのはいいけど、ちょっといただけないなー。教授、とってもお元気そうでした。このひと英語で話すとお茶目さ倍増ですな。目礼交わす。帰宅後、黒ビールあけながら口直しに『ラストエンペラー』観る。
日曜日は、髪を切る。一年ぶりに予約入れたヘアサロンに一年前と同じフリーのスタイリストがたまたま居合わせたので切ってもらう。一年前にも思ったのだけど、なかなかよい。経験則的に「ショートカットに異様な思い入れのある男性」か「ころころ髪型を変える女性」のスタイリストが合うのだが、前者の典型みたいな人。予約さえ取れればまたお願いしたい。
東京ではもう10年以上ずっと同じ人に切ってもらっていて、帰国のたびに通っているので宗旨替えするつもりはないのだが、この髪型だとそれとは別に毎月のツナギ要員も必要で、ツナギとして有能な人を探し続けているのです。「全部壊して更地に俺様作品を建てたがる前衛オブジェ作家」じゃなくて、「改築工事のスペシャリスト」ですね。前者のタイプはあまり信用していない。私はなるべく「髪のことを考えずにすむ時間が長い」のが理想。たとえば「庭師」とかなら、そういう基準で雇って全部お任せにしている人もいると思うのだ。「美容師」にだってそれを求めていいよね、と考えている。
あと石川禅ソロコンサートの感想を更新した。大半の部分を書いたのは3月中旬なので、1ヵ月半ぶりに読み返す。我ながらキモい! でもこんな文章、手元で死蔵しているほうがもっとキモい! ので晒します。夫のオットー氏(仮名)から「我が妻ながら、これは、ちょっと引く」とゲッソリした顔の絵文字が送られてくる。前回1万2千字書いたときはあちこちで感想をいただいたのだが、今回は3万字あるので、さすがに感想も届かない。これを仕上げるまで日記は書けんなと思っていて、これを仕上げたので、日記も再開。
月曜日の朝、出勤中にテキストが来て「おまえ今週もう会社とか来なくていいから!」と言われる。そんなん言われても、もう6線乗っちゃったよ……TGIM(TGIFの月曜日版、朝食ミーティング)で早めに集まったP&Cが急に「そうだ今日からIkuに休暇をやろう!」と思い立ったのであろう。まぁ、事前に休みたい日と働きたい日を通告しておかなかった私も悪い。まだまだ若い会社なので、自分たちもつい数年前にはっちゃけた「Grad Week(大学卒業式週間)」をやたらと特別視している。もう何週間も前から「ドレス何着新調するの!?」「連日、朝まで忙しいよねー、クッタクタになるまで遊ぶもんね」「ちゃんと友達たちと連絡ついてる?」とか言われて、文化の違いに面食らう。どのパーティーにどの友達と繰り出すかをスケジューリングするのがそんだけ大変なのかよ。これだからパリピは。


まぁでも特別休暇をいただけるのは有難いことなので、そのまま6線に乗ってメトロポリタン美術館へ。もちろん、『Rei Kawakubo / CDG』の展示がお目当てだったのだが、う、うーん、これは……どうなの……? いや、一点一点は素晴らしいですよ、まとめて観られるのもいいことです、だがしかし、なんというか、「ここはFITミュージアムか?」って規模なんですよね。うまく言えないのだが、キュレーションが変態性に乏しい。ファッション展示としてきちんとしている、しすぎているような。前評判がすごいというだけで、私もっと『China: through the looking glass』とか、『Manus x Machina』みたいな気合の入りようを期待してしまっていた……けどまぁ冷静に考えたらCDGだけの展示だったらこうなるか。いやしかし、見応え的に2000年の東京都現代美術館『三宅一生展』くらいのものは……期待してたのよ……。それが作家性の違いだといえばそうなんでしょうが、ここでまで華麗なる肩透かしを食らうのか、という、突き放された感じがした。それで、出口のところにPLAYのポップアップショップができていて、信者がみんな限定のTシャツだかスニーカーだか買ってて、しかも向かいの特別展示室の企画は『Age of Empires』なんですね。やー、なんというか……「METはん、この初夏は中国人のお客さんが増えてウハウハでんなぁ」みたいな感想が先に立ってしまった。サーセン。あでも『Age of Empires』の、「中華版ノアの箱舟」みたいなコーナーとてもかわいかったです。相対評価になって申し訳ないが、まったく何の期待もせずに、もののついでに観たものすごく地味な『SEURAT’S CIRCUS SIDESHOW』が、もんのすっごく良いように感じられた。一点の作品を展示して、その周囲に時代背景や資料や習作をぐるっと配置してあるだけ、それだけなんだけど、川久保玲の一着のドレスでコレが見たいよ、という感想。
時間がいくらあっても足りないので、セントラルパークを縦断して、南側で正午にタイヌードルで昼食を摂り、午後はまるまる、WeWork w57th St.で作業。建物の入館時には別途サインインが必要と言われたが、21時に出るときにはメンバーズカードが使えた。初めてなのでと一応挨拶したら、受付のヒップスター髭のお兄ちゃんに「たとえ個室を使わなくても、来るなら予約を入れろ。今回だけ許してやるが」と言われて、ちょっと感じ悪かったなぁ。こんなん次から黙って来るわ、と思うけど、黙って入ったらそれはそれで「ウチのもんじゃねえだろ」とか言われるのだろうか。同じWeWorkでもさまざまだな。Soho Southの雰囲気がよすぎるんだろうなー。「WeWork」の使い勝手についていつかどこかに改めて書きたい。設備が完璧に同じでもコーヒーにはうまいまずいがあるとか。期限切れのポテチを無料配布してたので食べたら腹がふくれてしまい夕飯抜き。