ザ・インタビューズ転載日記(別れた恋人)

別れた彼氏/彼女と友達関係ってありですか? 相手が結婚していて、不倫関係だった場合はどうですか?

前者については大アリで、後者については絶対ナシです。

お付き合いすることになった男性には必ず、西岡恭蔵「プカプカ」の「あんたが あたいの寝た男たちと 夜が明けるまで お酒飲めるまで あたい男をやめないわ」という一節を聴かせ、それについての意見を求め、拒絶されたらご縁がなかったと思うことにしております。浮気を容認しろとか性倫理の破綻を諦めろとか言っているわけではありません。恋人になろうが別れようが、私が心から好きになった人には、できれば永遠に、私の心の友でもいてほしいのです。

私が今まで本当に心から好きになった男性というのは、別れた恋人から片想いの相手まで含めても、数えるほどしかいません。これからの人生でその数が倍以上に増えることもそうないと思っています。私は自分が死ぬ前に入念に準備して、その彼ら全員を、葬式に招きたい。そして遺言で半ば強制的に、全員に棺を担がせるか何かさせて、一堂に会したお斎きの席で酒でも飲みながら、みんなで私の思い出話に花を咲かせてほしい。そのとき、死んだ私のことを、愛していても憎んでいても存在ごと忘れていてもいいから、遺された男同士で仲良くやってほしい。それが理想のお葬式です。

私は、一度好きになったものは嫌いになりません。誰かのことをずっと好きでい続けるのは難しいですが、一度好きになった誰かを顔も見たくないほど嫌いになることは、ほとんどありません。そして、そうやって好きになった彼らにはみんな、私なんかよりずっとずっと長生きしてほしいの。これが私のつねづね公言している「別れた彼氏の全員と友達関係を続けて葬式に呼びたい」論です。

この話をすると、大半の男性が「信じられない、ワガママすぎる、そんなのうまくいくはずがない」と言います。しかし、私が好きになった男性のうち、今のところ二人だけは、「それも面白いね、まぁ、努力してみるよ」と言って、今でも私と友情関係を結んでくれています。彼らと男女関係を結ぶことは二度とないと思いますが、私は、今も彼らが大好きです。ごく一部、「後にも先にも僕と君との関係は唯一無二の絶対的な特別、そうだろ?」とか「他の男と並列で比べられると思うだけで死にたくなる」とか言いながら、最寄駅の改札で一昼夜待ってたり2時間で携帯電話の着信履歴を50件埋めたりするようになる男性もいますが、まぁ価値観の不一致だから仕方ないですよね……。何でこんな人を一度でも好きになっちゃったんだろ、と思いながら別れ話をもちかけると「恋愛関係でいられないなら二度と顔も見たくない!」と去って行く、彼らの背中を私は悲しく見送るのみです。逆恨みで刺されたくないから言わずにおくけど、なんなのあれ、バカなの、死ぬの。

「プカプカ」のあの、あん娘の真意は、「もしあんたがあたいの今までに寝た男たちと仲良くしてくれるなら、以後、寝る男はあんた一筋にするわ」「それをわかってくれるまで、よその男友達のところへつるみに行くのをやめないわ、寝ることもあるかもね」という程度の意味だと思うんですよ……なんでわからないんだろうかね。「わかるまで、わかってくれるまで、死ぬまでやめない」という歌だから、それでいいんだろうけれどもさ。

同じ別れた関係でも、女同士は、結構うまくいくんじゃないかなと思います。すっぱり別れた元カノや元妻と、現カノや現妻とが親しいというのは、わりと聞く話のように思います。逆に、そうした女同士がうまくいかないのは別れたのに肉体関係が続いてるせいで、男はバレてないと思ってても実際にはバレてるからなのかなぁ、などと邪推して、それは大変よくないなぁと考えたりもします。

それで、私は男が大好きですが、既婚男性についてはまったく眼中にありませんので、以後は不倫にまつわる質問はしてこないでくださいね。よろしくお願いします。