ザ・インタビューズ転載日記(ヌード写真)

ヌード写真撮らせて下さい<(_ _)> いくらだったらOKしますか?

『ガロ』沼田元氣特集より「Zちゃん」。続くコマの台詞は「ひょっとして寝てる間にヌード写真をとられちゃったかも」

敬愛する写真家にだったら、こちらがお金払ってでも撮っていただきたいですね。具体的に誰、というのは思いつきませんが……まぁ若気の至り的エピソードを一つご紹介しますと、

私が高校生の頃から沼田元氣さんの作品をものすごく好きであることは世界的に有名かと思います。かつて90年代半ばに彼は『月刊漫画ガロ』誌上で「朗カメラ」という連載をしていました。これは「憩写真帖」の延長線上にあるポエムグラフィー連作群で、たまに「ホガラカさん募集」と称して誌面でヌードモデルを募集しておりました。高校二年生当時の私は、本当に本気でそれに応募するつもりで、どうすれば親と学校にバレずに済むかあれこれ画策しながら書類を揃えておりました。なんか志望理由作文みたいな提出書類は書き上げていたと思います。

理由は単純、あの憧れの沼田元氣に会える、のみならず、無料でポートレートを撮影してもらえる、またとないチャンスだと思ったからです。裸体に自信があったわけではありませんが、彼が被写体に選ぶヌードモデルの基準は世間一般で言われる陳腐な美の定義を超越したところにあるのでこれもまた歪な真珠の一つと解釈していただけるのではないかと思ったし、あんなに何度も何度も募集をかけるってことは世の中にホガラカさん志望の女性は私が思うより少なく、ぶっちゃけ誰も応募してこなくて芸術家もお困りなのではないか、そんな競争率なら私でも案外いけるんじゃないか、と思ったのでした。

しかし、同じヌマギャル仲間の同級生に「岡田は、なんでまず『ホガラカさん』行くって発想なの? まがりなりにも女子高生なんだしさ、沼田さんに撮ってもらいたいだけなら(同時期に連載中だった)『mcSister』の読者モデル募集のほうに着衣の履歴書送ってみたら……?」と言われて、ハッと目が覚めました。たしかに、ただ会いたいだけなら、何もいきなり畳の上でこけし抱えて全裸になったりする必要は全然ないのである……目からウロコ……!!(←※あんまり『ガロ』ばかり読んでいるとだんだん頭がおかしくなるという好例)

今思えば、あのとき思いとどまって本当によかったなぁ、と、止めてくれた友人には心から感謝しております。ほんの数年後には編集アシスタントとしてヌードモデルよりよっぽど過酷なお手伝い(例:寒風吹きすさぶ一月の真鶴海岸で朝から晩まで石を拾い続ける)をするようになりましたし、御本人からも「いや、高校生の姪ッ子とか書類で落とすから常識的に考えて……」とマジキチを見る目でドン引きされました。

縁もゆかりもない人から「端金やるから裸を撮らせろ」と言われたら、そこは普通に断ると思いますよ。まぁでもさすがに億兆単位の金を積まれたら考えてやってもいいかなぁ。契約書次第という気もしますし、その辺は柔軟に、応相談ですかね。