2021-05-15 / ワクチンと新刊

月に一度くらいは日記を書きたいねと思いつつ一ヶ月が経つ繰り返しです。この一ヶ月、書きたいと思って書かずにいたことを綴っておきます。

COVID-19ワクチン接種そろそろ完了

前の日記、4月10日から、今日の日記、5月14日までの間に起きた、一番大きな出来事はワクチンだろう。3月30日にニューヨークへ帰国、義務ではないけど10日間くらいは自主隔離して、開けた4月12日に一回目、5月3日に二回目のワクチン接種を終えた。

https://twitter.com/okadaic/status/1389268965285933059?s=20

思うところはほとんどTwitterに書いた通りで、わざわざ日記にするまでもない。米国在住ならほとんど誰でも似たような体験記になるだろうし。そのうち世界中の誰もがワクチンを打って新型コロナウイルウスの騒動が収まり、とくに珍しいことでもなくなる……と思って淡々と暮らしているのだけど、日本の人たちと話すとワクチンの話題でもちきり。報道を見る限り、まったく行き渡っていないものな。まぁ、いずれ何かにまとめることはあるかもしれない。

「Fully Vaccinated」認定となるまでにはさらに14日間かかるので、5月17日まではおとなしく過ごす。あと3日。長いよな。18日以降に楽しい予定をいくつか入れているが、3月末から一ヶ月半、ほとんど外出せずに過ごしている。

行きつ戻りつ

我が家の自炊担当大臣、夫のオットー氏(仮名)が、行きつけの肉屋が定休日でもないのに休んでいた、と心配げな顔で帰宅する。

我々はつい最近、絶品ローストビーフを提供する近所のイタリア系スーパーを喪ったばかりである。他の米国系スーパーではまずお目にかかれない美しい薄切り肉で、焼いてはあるが色はほぼ生、箸とポン酢だれで冷しゃぶ感覚で食べると超美味いのだ。しかしコロナ禍以降、大学とオフィスが閉まって人通りが絶えたUSQでは商売あがったりだったのだろう。4月末に閉業してしまい、二度目のワクチン接種後に買い物に行ったら跡地はもぬけのからだった。UESの高級住宅街にある本店は残っているらしいが、以前ならいざしらず、地下鉄に乗って買いに行く気にもなれない。

同じことが近所の肉屋にも起こってしまうと大変困る、とオットー氏は言う。我々が自炊で作るのはもっぱらジェネリック和食で、食材選びがとても大事なのだ。最小限の調味料でしっとりふっくら仕上がる良質な鶏肉は珍しく、とくに皮無しチキンサイはあのコーシャーの店でしか入手できない、……まで話して「いや、今週ユダヤの祝祭日やんけ、そりゃ店も閉めたりするでしょ」とツッコミ入れて会話が終わった。シャブオット(Shavout)。

ニューヨークに来るまでユダヤの祝祭日なんてまったく知らなかったのだが、大学が休みになる関係でなんとなく頭に入るようになった。シャブオットはちょうど学期末と夏休みの始まりに重なるのだ。今朝ジムに行ったら「ユダヤの歴史を学ぼう」みたいな題の分厚い本を抱えた背の高い金髪の女性が読書しながらゆるゆる筋トレしていた。裸に近いヘソ出しルックでワークアウトしている彼女がそこまで敬虔な信者とも見えないが、この時期に先祖の歴史を勉強するというのは、そういう理屈を超えた習慣みたいなものらしい。日本でいうとお盆に終戦記念日が重なって太平洋戦争関連コンテンツが伸びる、みたいな感じかね。

ちなみにラマダンの時期とも重なっていて先のイスラエルの空爆はマジ最悪のタイミング。そういえばSNSにラマダン関連投稿していた友人たちみんな静かになってしまった。元気かな。帰国後、こちらの友人とはまだ一人も会っていない。一年で最高に天気がいい季節なのにまったく出歩いていない。公園やコーヒーショップには人出が戻ってはいるが、家に根が張ったように過ごしている。また肉屋に行ってきた夫が、今度は無事に鶏肉をゲットしてきた。土用の丑の日の前後に休む鰻屋みたいだな。

新刊が出ますよ

なんでそんなに家に籠もっているのかというと、新刊が出るからです。2019年から「すばる」で連載していた『我は、おばさん』がいよいよ単行本になります。本当は2020年に出すはずだった本で、びっくりするほどCOVID-19について触れていないどころか、描かれている日常はコロナ以前のことが多いので不思議な感じ。とはいえ2021年初夏、ニューヨークの街はもうそんな本が出てもおかしくない感じの空気です。詳細は下記リンクからどうぞ。

我は、おばさん

Becoming Obasan
2021 _ JP