2016-01-29 / 1週間の終わり

春学期の第1週目、ようやく最終、金曜日。
「Graphic Design 2」の二回目。初日に出た4種の課題発表が中心。まずは、「Visual Syntax」をテーマに4枚、「Linear Narrative」をテーマに4枚、組写真を作ってくるというもの。みんなグラフィックデザイン専攻だから多くの生徒は美しい写真に美しいテーマを選んで美しく表現してくるのだけど、私は「あー、要するに、見立て&4コマ漫画な〜」ってノリで作っていったため、韓国人女子約一名を中心にやたらと笑われ、ぼちぼちウケる。いやます道化力(再)。
この辺は「ネットで拾った画像でもいいけど解像度150dpi以上ね」というお達しで、先学期に引き続きまたしても「えっ著作権……」となるのだが、まだうまく様子が掴めない。「所詮は学生の習作なんだから、まずはぴったりのイメージを見つけてくることに集中しろ」「自分で撮ったものだけでは幅が広がらないでしょ」という感じなのか、あるいはそこに「君たち社会人学部なんだから、実際の仕事ではこれができないことはもう知ってるでしょ」という放任なのか。英語の授業などはクレジット管理に厳しいので、おそらくは後者の感じが強いのだろうが、モヤモヤしたまま、自分のカメラロールにある写真と、ネットで拾った報道写真やストックフォトを必要に応じて組み合わせて作成。「そしたら来週は、これをreviseして完成品を仕上げてきてねー」的なことを言われ、またも「えっクレジット……」となる。えーなにこれ授業内で反応よければそれこそ私ポートフォリオに載せちゃいますけど、その場合この『スーパーマン』の有名場面をキャプチャした画像とか、どう扱えばいいの。
3つめ、日用品の写真をシルエット化して、そこにエフェクトをかけることで別のMeaningを付与するというのを授業内で作業、これも「じゃあその調子で来週までに最低20個以上、作ってきて見せてね」と継続。作業量そのものには慣れてきたが、ひたすらめんどくせーな。4つめは「今もっとも関心のある言葉を選んでそれを表現」というもの、これまた記号論の演習の延長線上。授業中におどけるのは大好きだけど批評だけはばっちり辛口、割と一人でしゃべり続けたがる、という先生のノリがよくわかった。苦手な人はすごく苦手だろうけど私などはこのほうが気楽、という感想(再)。

この日も朝の1コマのみで終了、さすがに疲れて頭がボーッとしてしまう。次に何をすべきか決められなくなって、日本人の友達についてフラフラカフェテリアへ行くも、やっぱりラボ(特殊印刷できるプリンターやペンタブ搭載マシンなどさまざま置いてあり、同じ学科の学生がみんなそこで宿題の作業する、溜まり場みたいなフリースペースの呼称。いわゆる研究室とは違う)に行こうかなと思い直して別れ、ラボに行ったら行ったで普段の賑わいと違ってあまりにガランとしているので勉学のテンションが落ち、じゃあ家に帰るかとフラフラ歩いて途中にある弁当屋(これもうまく言えないが、肉+炭水化物+野菜のセットで十ドル前後、イートインもあるが大抵テイクアウトでチップ不要、という業態の飲食店に勝手につけている総称)でジャパニーズスタイル(≠和食)の弁当をつついていたら、放置していた学事関係の面談に今日の午後来いという呼び出しがかかり、同じ道をすごすご引き返して自習室で時間を潰しながら約束の時間が来るのを待つ。夢遊病患者みたい。
呼び出された経緯と顛末は、書くと長くなるので別項を立てます。6000字近い!!
https://okadaic.net/archives/2195
17時のアポイントが17時半くらいにサクッと終わり、そこからは夜のパーティーのために時間をつぶす。学科長Juliaからの呼びかけで、日本人学生の一人が「新学期はどう? ワインを飲みながら学科みんなでおしゃべりしましょ」と誘われたそうなのだが、当日になってもまったく連絡がつかない。これ、ただの遊びの誘いというよりは、メールで山のように押し寄せる学科学生からの履修相談に、その場で全部対応するつもりの集まりなのだろう。実際、彼女の許可さえ得られれば我々はどんな授業でも取れて、それがほとんど単位になる。別途、履修相談アドバイザーと称するスタッフもいるのだが、こちらはただの単位計算オペレータ状態で、飛び級や割り込みや転籍の希望を許可する権限はない。「この他学部の履修許可をくれ」「空席待ちだと課題用ページが見られないのでロックを外してくれ」「あの先生とこの先生、私にはどっちが向いてるかな?」といった相談は、すべて彼女に集中してサイン待ちの行列ができる。彼女の一存で決めていいんかいなと思わなくもないが、その辺がアメリカっぽいということかしら。
まぁそれで、新学期のはじめにメールボックスがパンクして音信不通になる理由もわかるし、だからこその同窓会的集まりなのだろう、と楽しみにしていたのだが、やっぱり全然連絡が取れず。最後の最後で「よくわかんないけど、無期延期、らしい」という伝言ゲームのお知らせが来て、心待ちにしていた全員がズッコケる。いやー、慣れたけどね。私も相談する項目があるので、対面が無理となれば、と気合いいれてメールを書き、それだけで疲れちゃって、まっすぐ帰宅。本当はワインパーティーで新学期のテンションアゲアゲにした後、友人に誘われてブルックリンのギャラリーのオープニングレセプションへ行くつもりだったのだが、力尽きる。なぜか突然「日が落ちて寒くなってきたから朝忘れた手袋を取りにいったん家に戻ろう、そうしよう、それから夜にまた出かけよう」と自分に言い聞かせはじめ、駅と反対方向へまっすぐ歩きはじめ、迷いなく家について靴を脱いでカバンを置いた途端にもう、ベッドに倒れこんで寝間着を掴んでいた。力尽きる。たぶん卒業までずっとこんな調子で力尽き続ける。