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私の「好き」は、私のもの。

 私はメール返すのが苦手。用もないのに電話するのも苦手。「なんで連絡くれないのッ!」と半狂乱になる男も、「俺いつまででも待ってるから……」という男も、等しく苦手だ。よく、「都合のいい女を適当に見繕って飽きたら捨てるタイプの男、みたいな女性だね、珍しいね」と遠回しに非難される。

 でもね、私の行動の根底は、とにかく「一度好きになったものは、絶対に嫌いにならない」。相手が私を好きだろうが嫌いだろうが近づこうが去っていこうが、私の「好き」という気持ちには正直さほどの変化はない。電話やメールを繰り返すことで増す「親密さ」は、いくら重ねても「好き」とは別物ですよ。これは、あんまり書くと気分を害する友人がいるかもしれないが……。私がどのくらいあなたを好きかは、必ずしも私の行動のオモテにはあらわれない。私の「好き」は私のもの、時々あなたがたにあらわすこともあるけれど、そのオモテの個数では私の「好き」を量らないでいただきたい。

 とても傲慢な書き方になったが、つまりはそういうこと。昔話の嫁婿選び譚によくある、「この中で一番大きなダイヤの指輪を持ってきた人と結婚するわ」「あなたが本当に好きなのは、今までに一番多くの時間を一緒に過ごした相手よ」みたいな発想が、さっぱりないのだ。