一昨日の夜は焼肉。いわゆるジャパニーズスタイルバーベキュー。日本語を勉強中だというガタイのいいアフリカンアメリカンの給仕がつく。「焼き方はわかるか?」と訊かれ、もちろんわかるんだけど、面白いので英語で焼き方を説明してもらう。隣の席では同じ焼き網でシーフードやソーセージやその他よくわからないものを一緒に焼いていて、あの調子で食べていたらずいぶん高くつく外食になるだろう。我々はほとんどカルビとサンチュだけで腹を満たす。これが本物のジャパニーズスタイルじゃ。
昨日は朝がコロンべ、昼はミンカラーメン。あちこち歩き回る。アルファベットシティ、数年前に散歩したときは「割れ窓理論」ここに極まれりというか、「いくら開発が進んだからといってここから先は女一人で歩いてはなんねぇ」という空気が漂っており、道にたむろする男たちからひっきりなしに「おまえここがどこだかわかって歩いてんのか」「お嬢ちゃん迷子か、ヨウヨウ」みたいに言われまくる界隈、という印象だったのだが、昼間に夫婦で歩いてみるとまったく印象が違うし、なんだか小綺麗な店が増えている。小さな通りごとに「オーセンティックなんちゃらキュイジーヌ」みたいなことを謳うエスニックレストランが乱立していて、ここでいうオーセンティックとは、つまり移民たちの「俺たち自身が食べたいもん作って出すぜ」「繁華街の店と違ってアメリカ風味になんかしないぜ、メニューだって英語訳より先に現地語を載せちゃうぜ」といった声なのだろう。インド人が食べに来るインド料理とか、ベトナム人が食べに来るベトナムサンドイッチとか。きっと美味しいだろうな。
旅行者でいるときはトイレの汚物入れを見てさえ「やだ、オシャレ〜」とか思っていたが、よく見るとほとんどのものに「simple human」のロゴが小さく入っていて、これはめっちゃオシャレというよりはそこそこオシャレ程度、どこでも売っているし、日用品の買い出しを続ける過程で、もう小売の値段だって知っている。日本でいうところの「なんだ、ここにもfranc francかー」みたいな感想。文房具なども、数年前おみやげにしようと買い込んでいたものが、コンビニでも売ってるような「コクヨの新しいライン」程度の存在だったことに気づいたりする。いや、でも、外国人が東京へ来たら「コクヨの新しいライン」のノートとか、「こっちでは売ってない無印良品の小物」とか、東急ハンズのような店をわざわざ訪ねて買い込んで帰るだろう。それと同じ。日々の驚きが減じていくのは哀しい気もするが、「住んでみると当たり前になること」の第一歩目というところ。
今晩も外食、ココナッツジンジャーチキンヌードル。レモンクリームパスタとグリーンカレーの混ざったような味で超うまい。レモングラスが効いている。何料理の店かは最後までよくわからなかった。