2016-02-03 / 公文式とお習字

今週の日記を全部、日曜午前中に書き終えると決めたのです。これは水曜日の分。生あたたかい雨の降る日だった。

Timによるコア授業「Graphic Design 2」は、開始三回目にして6つくらい宿題が出ており、翌々日の金曜日までにさらに4つくらい宿題が出る、というペースで進む。といっても、4種類くらいの小さな「Assignment(課題)」が並行して進んでいる状態で、それが全部、前半のテーマである「ヴィジュアルと記号論」につながっている、という合理的な仕組み。あんまり深いこと考えずに与えられた作業をこなしていくと、細かく細かくマルがもらえる、一度しくじっても次回までにreviseしてきたらマルがもらえる、という、まぁ「公文式」みたいなことをやってくれているわけである。いや、公文式がどんなものかよく知らないんだけど。この日は前回から続いていた宿題をざっと見て回り、課題1&2はほぼ完成。課題3にまつわるマインドマップ(というより言葉の連想ゲーム)を作成する自習時間が数十分、最後の数十分で蛇腹式の本を作るワークショップ。お手本通りに4冊の本を作り、それぞれの課題を大判に印刷しなおして切って貼って製本して、手作りミニブックにした状態で最終提出、ということらしい。

さてその手製本の工程だが、すごく几帳面な先生のように見えるTimも、日本人感覚からいうと、やっぱり、雑。前学期と同じく「先生に言われた通りに作ればきれいにできる」というお手本が、そもそもかなり、雑。厚紙から6インチ四方の蛇腹本を四つ作るのだが、「これをこうしてこうしてこうじゃろ、こうやって折っていけば綿密に計測するのは一回で済むじゃろ、もし途中で何かズレが生じて仕上がりが歪んだら、最後にこの端のハミ出たところをバッツリ裁断するじゃろ、そうするとエッジがきれいに揃って見た目が整うから、誰もこれが厳密な6インチ角でないことになんか気付かないし、全然気にしないじゃろー!(ドヤ)」……いや、気付くよー!! 気にするよー!! 何をどうやっても、最後の最後に帳尻合わせるために裁断するのでは、5.7インチ四方とか5.9インチ四方とか、まちまちの大きさのものが四つできてしまうわけで。そんなのイヤだ、と思って一つ一つ丁寧に6インチ計っていたら、見回りに来た先生から「キミ、なんか手順を逸脱したことしてない……? 言われた通りに作りなはれ……?」と圧力がかかる。降参して言われた通りに作る。それでもやっぱり日本人以外の生徒は苦労していて、とはいえこの授業、10名中5名が日本人学生なので、「みんな上手にできて感心、感心」とご満悦の先生なのだった。納得いかねえ。

学校近くの中東系弁当屋で、ブラウンライスを敷き詰めた上にラムケバブ+野菜がどっさり載ってタヒニがちょっとだけかかってる弁当をかっこむ。量が多いし10ドルして割高なんだけど、肉はさておき手っ取り早く新鮮な生野菜が摂取できるのでよく使う。普通のデリに入ると、パスタとか、あるいはスープとパンだけでお腹いっぱいになって、野菜が欲しければ別料金でスムージーは単体で10ドルとられたりするので、日本人感覚の「定食」に一番近いのは、まぁこうしたエスニック弁当屋のイートインになるのだ。しかし向かいに座った草食系男子が食べているピタサンドのほうが美味しそうだったな。

そして学校のカフェテリアに陣取って、空き時間だけで3限アドバンストデジタルレイアウトの宿題を済ませる。謎のダサいデザインが施された両面印刷のチラシがPDF形式で渡され、それを「そっくりそのまま真似て」作ったInDesignファイルを提出せよ、という宿題。1限が「公文式」ならこちらは「習字」みたいなものか。形を真似するだけならいろいろな方法があるわけだが、改行やタブを悪用せず、テキストフレームオプションとか、段落スタイルオプションとか、本来使うべき機能をすべて使いこなしてなぞってくること、ただしマスターページにテキストボックスは1つだけ、表面には2つ、裏面には1つだけ使用可能、といった頓智が付記されている。3時間もあれば終わるだろうと思っていたが、何箇所かひっかけポイントがあり、結構難儀してしまった。95%まで作り込んで授業に持参、その場で質問して最終提出。本日はテキストラッピングについて知らない新機能をあれこれ教わる。使う機会はほとんどないのだが、今まで独学でもんんんんのすごく苦労していた部分がまたもや氷解。そしてまたもや力尽き、帰宅してひたすら寝る。