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2016-05-18 / 夏休みが始まらない。

約一ヶ月以上のご無沙汰、みなさまいかがお過ごしだったでしょうか。おかげさまで無事に2016年度春学期が終了いたしました。でも俺たちの夏休みはまだ始まらないのだぜ。今週金曜日にブックカバーデザインの無慈悲な夜の女王ことHelen様のオフィスにてサシで対面し「今まで作ったもの全部見せる」みたいな儀式があるので、急遽ポートフォリオの作成に追われている。
これは授業の進行が予定より遅れたことに対する彼女なりの措置で、「最後のほうが駆け足になっちゃって申し訳なかったわね、代わりに私が授業外で作ったものも見てプロフェッショナルの視点から厳しく批評してあげるわ! ポートフォリオの方向性に悩むあなたたち学生のためにわざわざ仕事の合間の時間を割いてあげる私、なんて優しい先生なんでしょう! みんなもそう思うわよね!?」みたいな話で、我々はもちろん「はっ、はぁ……仰せの通りです……」とそれぞれ30分スロットの個別面談の予約を入れた。怖いよー。この手の面談って日本語でも苦手なんだよな。
ちなみに最後の授業は彼女のオフィスを訪ねて行って、大出版社の大会議室で、彼女と彼女の同僚兼配偶者でもある別のデザイナーからの全作品講評を受けるという趣向だった。このときでさえネイティブの子たちもマジで震え上がっていたので、やっぱりHelen様が怖いのは万国共通なのだろうと思う。私は私で「出版社の文芸部門のはずなのにみんな机が整頓されているどころかキュービクルに私物が一つもない人がいっぱいいる! こんな環境で働いてたら緊張で吐きそう!」と別のこと怖がっていた。この絶対的な個人主義を羨ましいなと思うこともなくはないが、社員にとってホームのはずのオフィスまで戦場の塹壕みたいに殺伐としている。日本の会社は残業がブラックでも職場が和気藹々としているのはよいことなのだろうなぁ。奇しくも古巣である中央公論新社の新文芸誌『小説BOC』創刊号が手元に届き、関わった編集部員のみなさまの顔が誌面からありあり透けて見えてきて少々ホームシックに。私も小特集内にエッセイ書かせてもらってます。告知ページも整理せねば。
さてそれで、月曜日の午後に英語のオンラインテストを受けて、そこで一応すべて終わりになったのだけれども、その後、「It’s A Small World」が1964年当時の世相をどう反映し後世にどのような影響を与えたか、というテーマで最終課題のレポートを提出し、金曜日の最終講義もいつも通りの自習時間で終わったTimの最終課題(今までの課題をすべてまとめて高画質でパッケージ化して提出)の作成に追われ、合間に野次馬ミーハー根性でアイリーンフィッシャーの講演を聴きに行って、明日は秋以降のプロジェクトの打ち合わせ、バタバタ過ごしている。つまり、水曜日現在ポートフォリオなんにもできていない。のに、できた途端にそれを別の応募窓口にも送りつけないといけない。ビザの書き換え手続きも始まりそうで、大学図書館に本も返さないといけなくて、あれこれやっていたらすぐ1コマだけ履修した夏のオンライン講義の準備が始まる。んだけど、原稿も書いて日本出張の用意もしないといけない。ひー。てなわけで元気にやってます。
成績は7コマのうち3つまで出て、フォトリソグラフィのMartinと、ウェブデザインのMatt、イラスト&デザインのFrankからAをもらった。FrankやMartinは、あんなに真面目に頑張った私が取れなきゃ他の誰がAなんだよくらいに思っていたのでわかるんだけど、Mattあんな適当なプレゼンでAくれたの優しいな……優しすぎて「全員にAくれたんじゃねーの?」と疑心暗鬼になる。リアルタイムで表示される採点途中経過を見るにどう考えても私がA-以上になる要素がなくボーナスクレジットもちっとも思い当たらない。プレゼン中心の授業だから非ネイティブのハンディ考慮してくれたのだろうかね。Matt自体は悪い先生ではないんだけど、時間ばかり取られて進歩を実感できないこのぬるい内容が、卒業必修科目ってのが、ちょっとなー。この人には別のこと習いたかったという感想。
1学期目はギリギリでオールAならずで口惜しい思いをしたのだけれど、2学期目ともなれば夏休み突入と同時かそれ以前に年若くて優秀なクラスメイトはさっそくあちこちのデザインファームで働き始めたりしていて、まぁ大抵がインターンとはいえ、成績よりそっちのfacebook通知などに胸がざわつく。いくら優秀つってもクラス内では私も負けないものを作ってきた自信はあり、でも、それだけでは同じ椅子を同じようにはもぎ取れないのだ、なぜなら英語が0歳児レベルだから。このままだと「学校の成績は大変優秀だけど人材としてはこの国の社会に全然求められていない」お客さん留学生のままで爪痕一つも残せずにすごすご郷里へ帰ることになってしまうので、今夏以降はなんとか別のところを頑張りたい所存。