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2016-10-09 / 十月の最初

やっぱり週末は豪華なもの食べようとなるわけで、10月1日は「estela」でランチ。最高です。最高です。やわらかいにもほどがあるラムチョップはもちろんのこと、Blood Cakeという、まぁ豚の血ソーセージの中身だけをケーキ状に整形した上にフレッシュハーブと半熟卵が乗ってるという、私のためだけに開発されたのではないかという食べ物が素晴らしかった。夏からずーっとやってるUNのサンプルセールで、またアホみたいな靴を買ってしまう。ギンギンギラギラ銀色ブーツ。こんなんどこに履いてくんだよ! 私が履くより沢田研二に履いてほしいよ! ニューヨークで履くと汚れるから東京で履こう……。夜に出かけたときはまた別のグレーのショートブーツを買ってしまう。いやー、道が悪いから靴の消耗が激しいんですよ……(言い訳)。2日日曜日は一日中、石川禅メドレーを聴きながらAnnaの模型を作っていた。3日月曜日もだいたい同じ。この日は念願の「PRUNE」行ってる。食べ歩きすぎ。周囲の客が見事に白人だらけだったけどあんまり気にしないぜ。
4日火曜、週末まるまるかけて「ほぼ完成形」と思って持って行った模型、Annaに見せたら「うーん、いいモックアップね、来週までにこことこことこことここと作り変えた完成形を見るのが楽しみだわ!」とぶった切られる。「あら、wall2は写真がいいって言ったわよね、私? この紙の積層アイディアもいいと思うけど先先週に話していた写真はどこなの? やっぱり当然、もちろん写真じゃない、この壁は?」ときたもんだ……。「その案まるでイケてないのであなたに黙ってこっそり変えたつもりだったんですけど」とは言えないので、その場で言われた通りに作ったデジタルスケッチを見せたら「そうそう、これよこれ、ビューティフルじゃない」ときたもんだ……。本当にヘレン様とよく似ているわ、学生の自主性を信用しておらず、自分が思い描いた通りの完成品が見えないと何度でも手を入れてくる。彼女たちがクリエイティブディレクターで、私たち学生は所詮ただのデザイナー。インターンシップの予行演習と思えばタメになる授業なんだけど、よかれと思って改善していったものを一顧だにされないというのは、ちょっと厳しすぎるよな。
すごいストレスフルだったので一旦帰宅して、夫とともにヤケ食い豪華ランチ。のち、昼寝もかまして、ほとんど宿題せず、実質手ぶらくらいの勢いでDmitryのGD3へ。それでも本当に何もやって来てない猛者なクラスメイトに比べたらまだちゃんと宿題やってきてるほうだった。Project2は先週まででいったん終わりで今週からProject3へ移行、一週目なのでリサーチ結果とスケッチ見せるだけで終わる。その後、Project2のリヴァイズを持って行ったら、「えっあれでもう終わりじゃなかったの?」「考えすぎ! もうIkuは終わり! ちょっともうそれ忘れて、次行って!」と叱られる。何を言われようとまだまだ中途半端で全然終わってねーだろ、と思うんですけど、先週キチッと全部仕上げていけばよかったなー、と後悔。すっきりしない。
5日水曜日は授業と授業の合間に今坂庸二朗「BLUE BAYOU」展を観にチェルシーのMiyako Yoshinaga Galleryへ。結論から言うと、ものすごくよかった。平日夕方の中途半端な時間だったので誰もいない静寂な空間を独り占めできた。賑やかなオープニングへ行きたかった気もするけど、こちらもこちらで贅沢な体験。もちろん作風とか全然違うのですが、目の保養ができると何にせよ「私もがんばろう」と思えるわけです。途中Pushcartというギークに居心地よすぎる電源カフェで休憩したりしながら、学校から片道30分以上かかる距離を徒歩で往復する。ものすごく気持ちいい陽気でまったく苦にならなかった。普段あまり足を伸ばさない、伸ばしても用事があるときは最短距離を選んでしまう界隈を、あちらに折れこちらに曲がりながら、のんびり散歩する。こんなに素敵な街にいるのに学校往復だけでほとんど出歩いてないんだよな、と大変もったいなく思う。ちょっとリフレッシュしただけで、あれこれとアイディアも浮かび、やらずにいたことを始めるふんぎりもついた。Drop期間を過ぎてしまったので、Ericの授業は履修不可となる。今後は2週に一度くらい遊びに行って進捗を見せるくらいになりそう。
6日木曜日。夫のオットー氏(仮名)がアパートメントの管理人と、昨晩の野球の結果について東西海岸つかみ合いの大喧嘩をしたらしいですが(誇張)、私はよく知りません。男子ってほんとバカよね〜。DavidHの授業は完全に空気と化している。私はとうとう2時間近く遅刻して、欠席扱い覚悟で宿題の提出だけし行ったのだが、行った先でも出席率は半分くらいで、完全に自習状態。大丈夫なのか。みんな写真ナメすぎなのでは……(と2時間遅刻して行った者が申しております)。でも宿題を届けると同時に「やぁIku!」つって出欠簿にチェックつけられてた、あれ出席扱いになってたと思う、本気でヤバいな……。その後、キャリアサービス主催の「オンラインポートフォリオを作ろう」というワークショップに出たのだが、これがポートフォリオの授業を履修しているAASの我々にとっては基礎的にもほどがあり、空振りにもほどがあり、モデレーターのJeffは終始「foursquare」と「SQUARESPACE」を言い間違え続け、留学前に「この大学はキャリアサービスが大変充実しているから学校に就職の面倒を看てもらうのが一番」と聞いていたのはいったい何だったのか、と衝撃を受ける。結局、自分でどうにかするしかない。
続くドミちゃんの授業も2時間半まるまる自習状態、もう何しに学校来てるんだかわからなくなってくる。しかしここでダレる者は最終発表のときに落伍していくのが非情なデザインの授業。時間はかければかけただけ成果になるからね。帰途、いつも西に折れるドミちゃんが我々と一緒に東へ歩いてきたので「先生どこ行くんですか」と訊いたら「うふふふ、週末の授業後のお楽しみ、Strandさ〜! コンピュータのデジタルスクリーンだけ眺めてると気が参っちゃうでしょ、紙の本の匂いを嗅ぎに行くの、触りに行くの、埋もれに行くの、トレジャーハンティングなの〜!」とのこと。かわいすぎかよ!(何度でも) 金沢に住んでた頃の話など聞きながら店先まで一緒に歩いたところで「あれ、なんでついて来たの、もしかしてIkuも来るの?(クイッ)」とやられたんですが「No, I’m on my way home…」とそのままBroadwayを下って帰宅。
金曜1限も実質自習。さすが三学期目、自主性のない者にとっては何に学費を払っているのかわからない日々が続くが、自主性がないからこそこうして登校して自習タイムを過ごさないと何も始まらないのだとも言える。日本人の同級生女子から「育ちゃんの日記のドミちゃん愛がやばい」とドン引きのイエローカードが出る。えーだって「学校」の中でしか生きられない珍じゅ……もとい、絶滅危惧種、かわいくないですか!? 男子学生に「でもドミトリ、昨晩の服めっちゃダサくなかったスか?」と言われたので「ねー、あの謎のジャンパーとヨレヨレの黒シャツの組み合わせ、漠然と80年代風というか遅れてきたテクノキッズというか、平沢進みがあって世代感じて素敵だったじゃなーい!」と答える。たぶん平沢進、若者に通じてない。こうです。普段の服装はオシャレな嫁がセレクトした服を明らかに間違った組み合わせで着ている感じ(紫色の方眼ボタンダウンシャツにキツネ色ヘリンボーンのウールパンツとか)です。推定ゲイのTimはといえば普通にオシャレすぎてファッションチェックしてもツッコミの余地がないのでつまらない。まぁでもその意味ではキャリアサービスのJeffもなかなかいい味出していたな、現実社会のこと何一つ理解してないのに学生と社会をつなぐ役職についている目のイッちゃったヒゲのおじさん。かたや現実社会にしか生きていないEmilyは今日もまるでやる気がなく、何を見せてもワーオイッツグレートファンタスティック(棒読み)、一番褒められたのはEtsyで買ったロングスカート。他の仕事の息抜きに来てるとしか思えないのだった。働いてください。日本人女子3名でベトナムランチして50分だけファッションドローイングして帰る。
土日それぞれ10時間以上寝たのだが、まだまだ眠い。金曜夜から土曜日終日はとくに、本当に寝溜めだけで溶けていくなぁ。本当は今週末、NYコミコン(=コミケ)だったんだけど、雨だし元気ないしでパス。来年こそ遊びに行きたい。