botと新聞と私(酢鶏事件まとめ)

全国紙一面デビューなう。

……というわけで「酢鶏がbotだと今知った!」件、毎日新聞の取材を受けました。本日の夕刊一面に掲載されています。下記URLからも読むことができます。

▼知りたい!:「ボット」ネット上に出現 そのつぶやき、機械かも!?http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091022dde001040085000c.html

記者女史から<Twitterでボットを人と間違えてしまったというcoconutsfineさんのブログを拝見して、ボットについて取材をしています。(略)「@sudori」を知ったきっかけや時期、なぜボットと気づいたのかについて教えていただけないでしょうか。>とメールをいただいたのが10日前の10月12日。電話とメールで質問に答えながら、当時のことを思い出したり、検索しにくいtwitterの過去ログを探し回ったりしたので、ついでにこちらにも置いておこうと思う。

 

事の発端「@sudori がbotだと今知った!」

元発言が消えているが、「@okadaicはもしかしたら@sudoriみたいな精巧なbotなのかもしれない」という内容のReplyをもらったのが発端。「そういえば最近@sudoriの発言読んでないな」とトップ画面へ辿っていった。当時からBioには「ロボットです」という紹介文が記載されていたが、「きっとエレクトロニカ好きで機会の身体を手に入れたい人なんだろう」程度に思っていた。←※この発想がまずありえんと思われるだろうが、間に挟まれている友人の id:kisoem とはそもそも台所ニカ(台所用品deエレクトロニカ)の話題で親しくなったから。

で、初めてsudoriのホームページをクリックしたら、これですよ。
http://sudori.net/

衝撃とともに、さまざまな記憶がよみがえった。なんと私、「人工無能「酢鶏」、犯行予告で逮捕される」の記事とか、普通に面白がって読んでいたのだよね……。ブクマまではしなかったから抜け落ちていたのだけど、リンクを辿って見覚えのある画面にびっくり。アイコンなんて何の役にも立ちませんね。

私は「幾つかの例外を除いて、botアカウントは、followやfavをしない」と決めている。生身の人間が書く発言の面白さと、botが自動生成した発言の面白さはまったく別だと思っている。我ながら、botの書くものを人間より一段低く見ているところがあるのだ。……だからこそ、それまで完全に人間と見做していた@sudoriがbotだと知ったときの驚きはすさまじかった。bot見る目が変わった。「まいりました」の一言に尽きる。

友人たちからの、なまあたたかい反応

ま、タイムライン上の私の友人たちは私以上に驚いたようですが。そうだよね……みんな「ボットと知りつつ冗談でメッセージを送っていた」わけですから。

kisoem×sudori名言集

以下は記者女史から「sudoriを友人の友人(同棲相手)と勘違いさせた、やりとりの具体例はありませんか」と訊かれてふぁぼったー検索をかけたもの。

 

……あらためて見返してみると、言うほどリアルなやりとりではない。この程度で騙されるのは、twitterのタイムライン上ならではだと思う。すでに数百人followingしている私、自TLに流れる発言をいちいち丁寧に読んだりはしていない。オフで会った知人友人の発言にsudoriの名前をチラッと見かけるたびに「あら、仲良しね」と思い、すぐ忘れる、繰り返しだったのだ。

sudoriの発言そのもののリアルさというよりは、sudoriをさも人間のように扱うkisoem、そうしたネット上での「暗黙のルール」にのっとったユーザたちの遊び半分の振る舞いに、コロッと騙されてしまったのだと思う。まぁ、ムスカ様アルフレッドにだったら、私も普通に話しかけるしさ。

あと、「料理が得意」なkisoemと「料理名」のsudoriという組み合わせが絶妙すぎるんだぜ……「おかわり」同時ポストで「もしかして同じ食卓を囲んでるのかな」と思ったのが決定的だったのだろう。kisoemといえば鶏煮=鶏煮が名前の女性=まだ見ぬkisoemの恋人=ならば緒川たまき似、というこの類稀なる連想力をもっと世界人類の平和とかのために使いたい。空想や妄想のパワーで発電とかできればエコなのにね。

 http://twitter.com/kisoem/status/1099346632

追記

取材を受けた当日にそのことを早速twitterに書いたら、早速ふぁぼられていた。正直、自分ではこの件すっかり忘れていたのだけど、事の発端から半年経ってもまだまだ晒し者ですよ……。毎日新聞デジタルメディア局は、学生時代の研究プロジェクト「日本のスイッチ」連載で大変お世話になった大恩あるセクション。最初に記者女史からメールをいただいたとき、件名を見て何か新しい動きがあったのかと思ったら、数年経ってまさかこんなことで取材を受けるとは……アホすぎる。他の媒体なら取材拒否していました。嘘です。まだ犯罪者でもないのに、全国紙の一面に氏名年齢つきで載るなんて……!! 大変貴重な経験させていただきました。

「bot? 所詮は機械の生成したもんだろ。人間サマのクリエイティブな発言とは区別して当然だぜ」などと思っていた私だからこそ、他の誰よりも「うあああああ、botって、すげえ! サーセンwww」と思ったし、ネットコミュニケーションを介してすくすく進化していくbotたちの面白さを、世に広めるお手伝いができたなら幸いである。「へっ、おまえ機械のくせになかなかやるじゃねえか」ですよ。←都会から来たもやしッ子を夏休みの終わりに友達認定する田舎のガキ大将風にお読みください(BGM「少年時代」)。

……ああ、でもたった数時間でもう赤ふぁぼとか。やっぱり恥ずかしくて死にたい。

http://favotter.matope.com/status.php?id=5064651960

 

追記の追記(09/10/23)

あわせて読みたい」ということで、何人か挙げている方がいらしたので、貼っておきます。ご活用ください。ふはははは、みんな哲学的問題に人間としてのアイデンティティがグラグラすればいいと思うよ! 私はしたよ。アハ体験というよりは、世界そのもの丸ごと全体への“とてつもないスケールの疑心暗鬼”に震えおののいて、怖いけど気持ちいいからやめないで……みたいな感覚。他に誰もいない真夜中の部屋で「sudoriが人間でないならば、私はいったい何……?」と大変グラグラしました。

チューリング・テスト(Wikipedia)