2019-07-13 / きっと知ってる

大変ご無沙汰しております、日記です。日記……とは……? という感じですが今に始まった話ではないのでご容赦ください。5ヶ月以上も放置するって我ながらすごいね。もちろんその間もTwitterやInstagramは廃人になりかけるほどの頻度で更新していたわけですが。皆さんはもうGutenbergに慣れましたか? 私はさっぱりです。

さて、この間にもいろいろな出来事がありましたので、得意のダイジェストで振り返ってみたいと思います。

■とうとう新刊が出ました

新刊『40歳までにコレをやめる』が発売となりました。「大手小町」の人気連載(と編集部に毎回書いてもらえるのが地味に嬉しかった)に大幅加筆、書き下ろし章なども含めた圧巻256ページとなっております。私にとって「20代の宿題」は学費ローンの完済で、34歳までの返済計画を立てていたのを29歳で払い終えました。そして「30代の宿題」は、この本です。32歳で最初のエッセイ執筆依頼を受けてからずっと、なぜか需要の赴くがまま、「自分のことを語る」スタイルで物を書いてきましたが、その集大成と呼んでいいと思います。たぶんもう二度とこんな本は書かないんじゃないか、と感じるような一冊になりました。是非、お手にとっていただければと思います。

6月には東京出張して著者インタビューはじめ各媒体の取材をたくさん受けました。以下、「what’s new」からのコピペですが、その「what’s new」もついさっき5ヶ月ぶりに更新したからな、初耳だよって方のほうが多いはず、併せてご覧いただければ幸いです。

■あれこれ連載が始まりました

まずは『40歳までにコレをやめる』でも大変お世話になった「大手小町」で、隔週の新連載「気になるフツウの女たち」がスタートしています。どこかに明言しているわけではないけれど、これは『天国飯と地獄耳』 の続編のような位置付けです。ルールは「見ず知らずの女性を通りすがりに観察して、いっさい答え合わせ的な行為をせずに、妄想だけでその人となりについて書く」というもの。「人を見かけだけで判断する」なんて、なんと失礼な奴だ、と思われるかもしれませんが、「その人なりのスタイルや魅力を、視覚情報だけで言祝ぐ」というのは、私としては安直なルッキズムへのアンチテーゼのつもりです。

また、青山メインランドが運営していたオウンドメディア「ナポレオン」でのお金にまつわる連載「そのかねを」 は、サイト閉鎖に伴い6月末までで終了となりました。ほぼ週刊で、だいぶ好き勝手に書かせていただいたコラムが、結構たくさん溜まっています。秋頃には閲覧できなくなってしまうそうですが、転載許可をいただいているので、どこかで続きを書けたりするといいなぁと思っております。ここでnoteか……。

そう、もう一つ、連載するよと意気込んでいたnoteの月額課金マガジン「夜半の月極」については、思うところあってお休みさせていただくことにしました。やっぱり、紙媒体以外のクローズドなところへ何か書くというのは、うまく続けられないものですね……。大好きな高野寛さんの例のやばい連載のような活用っぷりを見るだに、向いてねえ、向いてねえよ私、とどんどんモチベーションが下がっていってしまった。今後また編成を見直して、シリーズ「wkgk」のような「過去に書いたものの再掲」を中心に、ラインナップを組み直したいと思います。

そしてもう一つの大型新連載、集英社の月刊文芸誌『すばる』で「我は、おばさん」がスタートしました。こちらが 紙面の様子 、コンセプトを説明するよりも読んでいただくのが早いかと思います、私なりの「おばさん宣言」です。月刊誌連載という意味では『天国飯と地獄耳』以来ですが、一回の枚数は数倍ですし、かかるコストも未曾有、自分史上最大級の大型連載となっております。『40歳までにコレをやめる』のその先へ、ということで、いま苦吟しているこの原稿が、40代をどう生きるかの最初の道標になってくれるといいなぁと願いつつ、天の星々のような先輩「おばさん」たちについて思いを馳せる毎日です。

■あちこち旅をしています

1月末に日本一時帰国して、5月下旬からまた日本一時帰国していました。だって推しミュージカル俳優こと俺の俺たちの石川禅が北九州で『笑う男』日本初演に出ていたので……あとカーネーションと高橋徹也のツーマンライブもあったので……。気がついたら手が勝手に家族マイルを消費していた。いや、嘘です、新刊のね、新刊のプロモーションに行ったという話ですよ。

ものすごく久しぶりに京都にも行けて嬉しかったな。あまりにも弾丸すぎて、書店周りして、レイチェルソーンさんと学食ランチして、いしいしんじさんとすっぽん食べて、丹所千佳さんと蛍を見たという以外の記憶が飛んでいるけど。でも、あんなに何度も訪れている街なのにどこへ行っても初訪問だというのが、奥深くおそろしく嬉しく恥ずかしく、不思議な気持ちでした。

ついでに6月上旬にはシンガポールにも行ってきました。楽しかったなぁ。今住んでいるニューヨークからはアジア圏はとても遠いので、日本一時帰国にくっつけてあちこち回るのがよさそうです。昨年まではベトナムや台湾へ行っていたけど、シンガポールといえば俺の俺たちの王子様ことディックリーの聖地。巡礼してきましたよ、いろいろと。日本文化との親和性が大変高く、住環境的には「ほぼ日本」というノリで生活できて、それであれだけ他の条件が好いのなら、そりゃあ移住して子供をこちらの学校へやろうという人が出てくるのも頷ける。でもちょっと難しさも感じたりして、ここをユートピアと見做すことは私にはできないかもしれないなと思った。百聞は一見に如かず。

7月にはドイツ・ベルリンにも行ってきました。こちらも楽しかったよなぁ。ベルリンの地図はばっちり頭に入り、ドイツの地理感覚も少しは培われたので、また何度でも行きたい。シンガポールとベルリン、昨秋パリで試した「短期集中で観光するのではなく、合間に働きながら長めに逗留する」形式を採用してみたのだが、これが結構、性に合っているようでした。どのみち自宅にいても日本の仕事相手とは時差があるし、アメリカの仕事のほうも、同僚が時差のある西海岸などからリモートワークしていたりする。だったら別に、ニューヨーク以外の場所にいてもいいんだよな。と思い至って、新しい旅の形態を模索しているところです。

シンガポールに5日、ベルリンには復路便欠航もあって9日くらい滞在して、これは、それぞれの市内の観光名所をぐるりと見て回るのに必要な日数の、だいたい倍くらいかと思う。詰め込み型の旅が好きな人たちからは「そんなに長く一箇所に留まって、他にどこにも行かなかったの!? マレーシアとか、ゲーテ街道とか、いくらでも足を伸ばせるのにもったいない!」と驚かれるのだが、私はむしろ「平日昼間に淡々と仕事して、アフターファイブは初めて訪れる街で酒が飲める、最高では?」という感じで、ホテルのラウンジとかコーヒーショップとかでPCを広げているのが嫌いじゃない。どっちが優雅でどっちが野暮か、どっちがリーズナブルでどっちがもったいないかは、永遠の謎だし、人それぞれじゃないかなと思う。

私は根が貧乏性なので、ガチの旅行をしようとするとあれもこれもと予定を詰め込んで「観光貧乏」になってしまいがち。そうすると帰宅してからドッと疲れて、旅行日程と同じくらいの日数を、現実に戻るための体力回復に使う羽目になったりする。あんまり人の世話になると緊張が解けないし、リゾートへ行くと頭のネジが緩みすぎちゃうし、いい塩梅を探すのが難しかった。半分のエネルギーで倍滞在して、夫と一緒に出かけたり、独りの時間を楽しんだり、がっつり観光したり、宿でゴロゴロしたり、働いたり、というのが今のところはいいみたいだ。そういえば去年の冬に行ったマイアミもそんな旅でしたね。

9月にはまた東京へ行きます。だって推しミュージカル俳優こと俺の俺たちの石川禅が、初のテレビドラマレギュラーとして現在はTBS日曜劇場『ノーサイドゲーム』出演中の石川禅が(しつこい)、5回目のソロコンサートを、開催するので……。そして津田大介芸術監督の「あいちトリエンナーレ」も観に行く予定です。いやぁ、旅すれば旅するほどマイルが溜まるって、素晴らしいことですよね。

■きっと知ってる

以上、TwitterとInstagramを見てくださっている方たちなら、きっとみんな知ってることばかりでしょう。この「きっと知ってる」を前提に、何か新しいことを更新し続けるモチベーションって、なかなか続かないですよね。引き続き、日常的なことはSNSでつぶやいていくつもりです。ここの扱いをどうしようかなぁ、過去記事の再掲をして一覧性を高めたい気もするし、一方で、この開店休業中の様子が自分らしい気もしているし。

取り急ぎ、ずっと愛用していた「はてなグループ」終了のお知らせが悲しくて悲しくてやりきれないなか、「はてなダイアリー」ともども大量のログの中からこちらへ転載できるものを見繕っていきたいと思います。同じコンテンツの墓場なら、自分の手元で管理できたほうがよい。これだってもう十数年前からいろいろなブロガーに教え諭されてきたことなんですけどね。わかっていても、知ってても、「やる」のが難しいことって、あるんだよ。もうちょっと考えます。ではまた。