単行本『女の節目は両A面』

人生の分岐はあまりにも細かくて膨大であるがゆえに、
全問で私とまったく同じ回答を選択をした他人は誰もいない。
だいぶ同じ体験をしてきたね、と共感し合えるときもあれば、
どうしてそんなふうに捉えちゃうの、と永遠にわかり合えないときもある。
どんな幸福や充実感や成功体験、自尊感情にも、
どんな憎しみや悲しみ、妬みやコンプレックスや後ろめたさ、
その他の負の感情にも、元となった「節目」がある。
そして、その組み合わせで混じり合った複雑な味や色は、
自分だけのものなのだ。
(「はじめに」より)

書題女の節目は両A面
英題Every Herstory Is Double A-sided
著者岡田育
発売日2020年11月10日
出版社TAC出版
仕様四六判ソフトカバー
価格1300円+税
プロデュース石黒謙吾
装幀芥陽子
装画カヤヒロヤ
ISBN-13978-4813295211
版元ドットコムhttps://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784813295211
Amazonhttps://www.amazon.co.jp/dp/4813295215

「いままで」と「これから」
あなたの人生にA面が2つ
■<初恋><初体験><就職><結婚><出産><閉経><死別>…
■初めて経験したあのときは…まだ訪れないターニングポイントは…

気鋭の文筆家が絞り出す、
人生の節目を数え上げる「ミラーエッセイ」27篇

人生のかたちに想いを馳せられる、
来し方&行く末の「両A面」構成!
オモテから読む?(逆からでもOK!) 
ウラから読む?(それもまたアリ!)

前からは「縦組み」でこれからのこと、
後ろからは「横組み」でいままでのこと、
という画期的な構成となっています。

死ぬまでに直面するであろう
「まだ見ぬ」節目について考えた“未来編(縦組み)”
誕生からくぐってきた
「初めて」の節目を思い出しながら書いた“過去編(横組み)”  

はじめに
https://tac-bookstore.meclib.jp/korekaranowatashi/book/index.html#target/page_no=1
  (これからの、私)→
過去と未来と私の節目
まだ見ぬ、マイホーム
まだ見ぬ、出産
まだ見ぬ、育児
まだ見ぬ、介護
まだ見ぬ、孫
まだ見ぬ、閉経
まだ見ぬ、死別
まだ見ぬ、車椅子
まだ見ぬ、私の葬式
おわりに

  (いままでの、私)→
https://tac-bookstore.meclib.jp/imamadenowatashi/book/index.html#target/page_no=1
初めての、他者〈0歳〉
初めての、恋〈4歳〉
初めての、遅刻〈6歳〉
初めての、世界〈9歳〉
初めての、犯罪〈11歳〉
初めての、名前〈12歳〉
初めての、スポットライト〈14歳〉
初めての、ナンパ〈15歳〉
初めての、バイト〈17歳〉
初めての、デート〈18歳〉
初めての、肉体関係〈19歳〉
初めての、泥酔〈20歳〉
初めての、就職〈23歳〉
初めての、通院〈27歳〉
初めての、自由〈30歳〉
初めての、結婚〈33歳〉
初めての、海外生活〈35歳〉

※本書に関するお問い合わせ、取材依頼等は、版元へご連絡ください。
https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/09521/

哲学対話茶会(随時更新)

新型コロナウイルス禍に見舞われた2020年春の東京。外出がままならない緊急事態宣言下、共著者の二村ヒトシさんに誘われてZoomを用いた「オンライン哲学対話」にハマッた。三連休に三回連続で参加したのをきっかけに、自分ならどんな哲学対話を作るかな、と試行錯誤を繰り返し、とうとう主宰までするようになった。

その名も「哲学対話茶会」。俗に言う有料オンラインサロンへの苦手意識が非常に強かった私が、自分でイベントを立てて参加費を集め、売り上げで初期投資額を回収するまでになった。やってみてわかったこととして、これは私が嫌っていたあのオンラインサロンとはずいぶん違う。私はただ「安心安全で対等なおしゃべり(対話)の場」が欲しいだけで、そしてそれは、技術の進歩によって、きちんと整備されたルールによって、ものすごく簡単に実現できるものなのだと知った。ものすごく楽しい。

ここに「哲学対話茶会」についてのページを作っておく。フォーマット不定のまま、随時更新していく。さしあたっては第一期(全10回)までのログと、そしてまた、第二期を始める前に、もう少しだけ丁寧な文章を書き残しておければと思う。


■2020-05-20 / 哲学対話茶会001「推しとは何か」
■2020-05-30 / 哲学対話茶会002「ファンとは何か」
■2020-06-12 / 哲学対話茶会003「片想いとは何か」
■2020-07-04 / 哲学対話茶会004「おやつとは何か」
■2020-07-17 / 哲学対話茶会005「音楽を読む:THE BOOM」

https://okadaic.peatix.com/

■2020-07-30 / 哲学対話茶会006「推しとは何か(祈り)」

https://okadaic0730oshi.peatix.com/

■2020-08-02 / 哲学対話茶会007「音楽を読む:井上陽水」

https://okadaic0802yosui.peatix.com/

■2020-08-07 / 哲学対話茶会008「推しとは何か(消費)」

https://peatix.com/event/1565294/

■2020-08-16 / 哲学対話茶会009「推しとは何か(恋心)」

https://okadaic0816oshi.peatix.com/

■2020-08-16 / 哲学対話茶会010「幸福を読む:BLONDE」

https://okadaic0816happiness.peatix.com/

2020-09-11 / 近況など

また久しぶりにサイト更新しましたのでご報告。こんなペースで日記も何もないもんだ。What’s Newだけは更新していたが、記事更新はじつに6月末から滞っていたので、少し追いつくようにあれこれ貼ってみますね。

■『天國飯與地獄耳』(天国飯と地獄耳、台湾版)発売

待ちに待った繁体字版『天国飯と地獄耳』7月30日に刊行されました。嬉しいな。親本と同様にウサギがモチーフのカバーデザイン、ヘタレたキモカワいい感じが台湾っぽい。本来ならとっくに手元にあるはずなのですが、新型コロナウイルス禍の影響でまだ実物の見本を受け取れておりません。立派な序文や推薦がたくさんついていて有難いです。早く中国語圏の友達に読んでもらいたいものです。

そして、版元公式のプロモーションビデオ(?)のようなものが上がっているのですが、いかんせんまったく言葉がわからない……! あとで字幕だけでも翻訳してみたい。

■『ユリイカ』9月号「特集=女オタクの現在 推しとわたし」

志村貴子特集以来でしょうか、久しぶりの『ユリイカ』に、「呼ばれた名前で」と題したごく私的なエッセイを寄稿しています。ものすごい分量で、正直まだ全部読めていませんが……でも、網羅性があって資料性も高く、歴史に残る一冊だと思います。是非ご一読ください。→版元情報はこちら

■YouTubeに再生リストを作りました

自粛期間中にいろいろな人たちが続々とYouTuberデビューしているなか、私はどうしても、ど、動画には……手を出せずにいるのですが……だって大変そうじゃない……? でも、そうも言っていられない時代なので、せめて自分の出演分だけでも一気見できるような再生リストを作りました。2014年の『PALM』のトークイベントの動画、まだ残っていたんだ! 懐かしいですね。久々に見返して爆笑してしまった。

https://www.youtube.com/playlist?list=PL4QTDSb-G2n1OfM5MUj5pZRbSnzhTsnz_

ブランドチャンネル自体は2006年くらいから利用していたんですが、完全に使い方を間違えていたんですよね……実名大公開のまま、あちこちのアレな違法動画の視聴履歴がばんばんオモテに晒されていたことに、つい数時間前に気づいて慌てて整理整頓したところです。今後も私が何か危ういことやってたら誰か教えてくれ!

■Eテレ『B面ベイビー!』出演

オトナのカルチャーを熱く語りあうスペシャル番組が3月の放送から半年ぶりに大復活!! スチャダラパーのBoseとモデル/女優として活躍する横田真悠がゲストの”偏愛”を深堀りします!
1本目のテーマは「CLAMP」。「カードキャプターさくら」「魔法騎士レイアース」はじめ、30年以上にわたって数多くの作品を生み出してきた漫画家集団について、宇垣が熱く語る。作風や登場人物、物語にこめられたメッセージなど、少女漫画の枠にはおさまりきらない世界観について「いまだかつてないCLAMP論」をくりひろげる。

弟子という名のソウルシスターこと宇垣美里さんメインの番組でご一緒してきました。さっそく再放送も決定しているようなので是非ご覧ください。地上波には到底そのまま流せないであろう私の準備中のtweetは以下のスレッドからどうぞ。やー、あと三日三晩は語れるね。

■マイナビ連載『女の節目』がついに書籍化されます

こちらは今後の予定ですが、渡米前からコツコツ書いて、卒業前後で終了したままになっていたあの連載『女の節目』が、ようやく、ようやく単行本になります。『女の節目は両A面』というタイトルで、現在鋭意製作中。なんで「両A面」? と思ったでしょう。追々明かされますので楽しみにお待ちください!


急に画像を貼り始めたのは、なかなかサイト更新ができていないからです……。昔はこのくらいこまめにやっていたものだがなぁ。その他のお仕事についてはページ冒頭に箇条書きでまとめてありますので、併せてご参照いただければと思います。何かとイレギュラーな日々が続きますが、皆様お健やかにお過ごしください。私は8月末に推しのソロコンサートが観られたのですっかり生き返りました。

『天國飯與地獄耳』(繁体字版「天国飯と地獄耳」)

エッセイ集『天国飯と地獄耳』が台湾の任性出版から翻訳刊行されました。タイトルは『天國飯與地獄耳』、ほとんどそのまんまですね。日本語版よりも小悪魔カワイイ感じのウサギさんが、コーヒーカップからあれこれ啜り上げながら聞き耳を立てています。

翻訳は黃雅慧さん。洪仲清(臨床心理師)、少女老王(作家)、林靜如(律師娘)、李柏青(推理作家、律師)、李明璁(社會學家、作家)、少女凱倫(媒體人)、地表最強敗犬(萬年魯蛇怨女)……という錚錚たる皆様にご推薦いただいております。コピペですみません、全員それぞれどんな方かぐぐりまして、あまりのことに震えております。

韓国語版の『40歳までにコレをやめる』と違って、なんとなく、なんとなーく、読める、気がする……のが、漢字で書かれた繁体字版の面白いところですね。台湾も大好きなので、新型コロナウイルス騒動が落ち着いたら、早くプロモーションに行きたいなと思っています。他国語への翻訳出版オファーも引き続きお待ちしております!

書題天國飯與地獄耳:偷聽,揭露我們與惡的距離。鄰桌的故事越罪惡,食物越美味,我們都犯此不疲。
著者岡田育
訳者黃雅慧
発売日2020年7月30日
出版社任性出版
仕様四六判ソフトカバー
価格340元
ISBN-13 9789869858939
紙書籍https://www.books.com.tw/products/0010864419?loc=M_0006_009
電子書籍https://www.books.com.tw/products/E050072849

版元公式のプロモーションビデオ(?)のようなものが上がっているのですが、いかんせんまったく言葉がわからない……! あとで字幕だけでも翻訳してみたい。

2020-06-27 / 慣れるまでにはもう少し

まずは恒例のサイト更新報告。WordPressバージョンアップに伴いcssを整理し、メニュー欄を見直し、お問い合わせとメディアキットのページを作成。日記コーナーに過去記事からのよりぬき欄をもうけました。「最新の数件以外はわざわざ読まなくて構わない」という閉架式の心理状態をデザインでも示してきたのだが、さすがにあまりにも掘りづらかったので、何かの足しになればと。「売らない文章」を自分の手元でどうやって陳列するかは長年の悩みどころですが、またちょっとずつ増改築を続けていきます。

もうあまり更新する気のないウェブサイトをずっといじっているのも不思議な気分だ……と、未曾有未曾有の連続で、このところ、なんでもかんでも「不思議な気分」と言って片付けてしまう自分がいて語彙力が危ういですが、皆様お健やかにお過ごしでしょうか。

「上半分と下半分」分離したこの感覚を、継ぎ合わせられるだろうか
https://www.asahi.com/and_M/20200525/12140576/

私の近況は、雑誌『GQ』や『WE MUST GO ON』、朝日新聞「&M」の「コロナ・ノート」に寄稿した記事の通り。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、例年通りの日米往復生活を続けるのは難しいとの判断から、3月半ばに一時帰国して、今現在も東京に長期滞在しています。この3ヶ月間、家に引きこもって何をしていたかと問われれば多くは「過去と向き合う」時間で、パンドラの段ボール箱をいくつもいくつも開封しながら、奥底の「希望」を探すには、まだもう3ヶ月くらいは欲しいところ。


最後に「人と会う」をしたのは3月27日。昼公演でミュージカル『アナスタシア』観て、千早茜さんとごはんを食べた。もう遠い昔のようです。金曜日の出来事で、その週末は東京に雪が降り、緊急事態宣言も発令されるというのですべての人と会う予定が吹っ飛んでしまった。今日は3ヶ月後の6月27日で、吹っ飛んだ予定のお相手の一人、紫原明子さん主催のオンラインサロン「もぐら会」のイベントにお邪魔した。『もぐらの鉱物採集』購入時に「お話会」への参加権を買ったので、一般客である。今度「もぐら談話」にゲスト出演するのは、その後に決まったこと。

11時スタートで15時おひらき、車座になって20名の参加者がひたすらぶっ続けで順番に「自分の話」をし続ける、みんなでそれを聞く。本当に素敵な会で、私が5月から始めているプロジェクト「哲学対話茶会」で到達したい境地、「安心安全で対等な、まったく新しいおしゃべりの場」は、もうすでに生み出されていたと思い知らされた。これじゃん。これです。「きっと、僕らの夢を完璧に成し遂げてくれるシンガーが出てきたら、僕はギターとマイクを置いて、そいつの歌に夢中になってるかもしれない」(THE BOOM「手紙」)ですよ。僕はただ、対話を愛していたいだけだ、哲学対話にこめかみを撃ち貫かれたいだけなんだ。

【もぐら会】は、他者との会話を通して、自分と世界とを“自分自身で”掘り深めていくための集まりです。長い人生をより心豊かに、より肩の力を抜いて生きていくための自分と、その仲間とを、見つけられるかもしれません。

https://community.camp-fire.jp/projects/view/134297

その後、有志が1時間ほど雑談をして会は解散。その後、打ち合わせというテイでハッピーアワー。明子さんと同じこと、やってみたいけど、なかなかできないんだ、という悩み相談に乗ってもらう。私の「哲学対話茶会」は諸経費の自腹を切って参加費無料で続けているが、毎回参加希望者が定員を超えてしまい、なんとも据わりが悪い。これは都度都度ちょっとはお金を取ったほうが健全な運営になるんじゃないか、と考え続けている。一方で、主宰の私からのサービスやアフターケアをいっさいしない、現地集合現地解散の「反サロン」スタイルを貫くのが、このプロジェクトにとっては「正しい」気もするのだ。金銭の授受を発生させながら、今のこの素っ気なさを持続していくことは可能なんだろうか。

実現したいのは、野外フェスや抗議デモの場で、そこに居合わせた同じ目的の見知らぬ人と会話するときの親しみ。そして、いつぞや過剰接客してくれた店員が次行ったら自分のことをまるきり覚えていなかったときの、少しの落胆の裏にある圧倒的な気楽さ。あるいは、常連客よりも新規客のほうが多い場末のスナック。そんなものあるのかって? 「もぐら会」は月額一万円払ってる会員からこの日限りのゲストまで、みんなフラットな関係性を築けているように見えて羨ましかった。私だって紫原明子ママや馴染みの仲間に話を聞いて文章を読んでもらえるスナックがあったら、そのくらいの金額かけてボトルキープをすると思うんだよね。


それはそうと、3ヶ月間、歯医者と美容院を除いて、近所の商店街へ買い物に出かける以外はまったく外出していなかった。一度にたくさんの人と会うイベントは本当に久しぶりで、朝から子供みたいに緊張していた。まず何を着て行ったものか。何しろ4月中には帰るつもりでスーツケース転がして来たので、靴下や長袖カーディガンはたくさんあるのに、夏服の持ち合わせがほとんどない。風呂に入れば身体の洗い方がわからなくなり、鏡の前では髪の梳かし方がわからなくなり、水とハンカチとPASMOと名刺入れを忘れないように、何度もカバンの中身を確認する。

さりとて、人恋しさもあんまりない。コラムにも書いたZoom結婚式、演劇や音楽をはじめとする各種ライブパフォーマンス配信、そしてオンライン哲学対話など、ビデオチャットでのミーティングにすっかり慣れてしまったから。もともと引きこもりで、いざ社交するとなると人並み以上の労力を割く羽目になる私。もうリアルでの「打ち合わせ」や「飲み会」なんて絶滅してしまっても困らないんじゃないか、くらいのことをぼんやり考えている。ま、それでも人に会いたくて、出かけていくんだけどね。


昨日は高野寛のライブ配信を観て、今夜は高橋徹也のライブ配信を観て、連日連夜、東京はすごいなぁ、と思いつつ、この凄さは東京でなくとも、地球のどこに「うち」があっても、楽しめてしまうものなのだった。自粛期間明けのスターパインズカフェで一曲目に「My Favorite Girl」を歌った高橋徹也が、まんをじして下北沢leteでのソロワンマン、予期せぬアンコールで同じ「My Favorite Girl」を歌い、二度も出だしに失敗するのを驚きと微笑みとともに眺める。この曲には、こんな歌詞がある。

新しい僕の暮らし なんとかサマになってきた
慣れるまでにはもう少し 時間が要るみたい

leteでの高橋徹也ワンマンには何度か行ったことがあるけれど、こんなにたくさんのファンと一緒に、演奏中にも感想を語らいながら観るなんて、現実では起こり得ないことである。でも、現実のleteには収まりきらない人数で同時に観ている強めのエコーがかかったそのライブは、紛れもなくleteのあの、密な空間のものなのだ。すべてが懐かしく、すべてが新しく、何もかもリハビリのようにぎこちなく、でも、こうとしか進まないでしょ、という顔して日々は過ぎていく。