diary

2017-05-16 / ブーツでプール

フィードの調子がおかしいのでテスト投稿のつもりでもう一日分。

昨年も同じことを書いているかもしれないが、だいたいこの時期に大学卒業式があること、陽気が「初夏」として落ち着いてくることから、「5月6月が夏の始まり」という感じが強い。陽気が落ち着いてくるというのは、気温が26度まで上がった翌日に4度まで下がったりすることが減る、という意味です。無茶だろう、無茶だよね。でも3月4月って本当にそんな感じだった。毎週ちょこちょこ衣替えをしないといけない。今はスプリングコートを持って出て、歩きながら脱ぐ、という程度の涼しくて気持ちいい陽気で、だけど突然の冷房に備えて足元は足首を守るショートブーツ。そんな期間が長い。これまたずっと書いてますが「すぐ半袖になれる服装+足元がっちりブーツ」という組み合わせは、頭寒足熱の観点から言っても合理的ではなかろうか。もちろん街中はもうみんなサンダルで歩いてるけど、私はまだ足首を晒すのにも勇気が要るよ。屋外プール、5月12日に開く予定だったのが、大雨のせいで延期になり、たぶんもう開いていると思う。でもまだ、入ると寒いと思う。そんな時期。日本の気候だとちぐはぐに感じられるだろうけど、そんな時期のプールサイドって、ブーツで立つくらいがちょうどいい。

昨日月曜日は「卒業祝いナイトクルーズ」という催しがあったのだが、日本人クラスメイト誘っても誰も都合がつかず、私も「風邪ひきたくない」という理由でパス。老婆か。大概のことはおひとりさまソロ活動上等ですけど、ナイトクルーズはねぇ。一人でドレスアップして行って同窓生にナンパされても、こちとら37歳既婚者ですからねえ。入学式のときはクラブのパーティー顔出したりもして、これまた、全学揚げての入学祝いだと年齢層がめちゃめちゃ若く、AAS(社会人学生)の私たちは二階から高みの見物をしている時間が長かった。若者は若いうちに存分に若さを満喫しておくことをおすすめする。

相変わらず、卒業の仕組みがよくわからない。依頼された原稿を書きながら整理しなおしてみた。私の所属は「The New School > Parsons > AMT > Graphic Design > AAS」なんですね。それで、下半分「AMT > Graphic Design > AAS」部分の卒業式は、私はもう終わってるんです。12月21日に、校舎内の小さな講堂にほんの十数名しか集まらないという略式の卒業式があって(他の子はクリスマス休暇で帰っちゃった)、ノリは「今学期で単位全部取得した人たちおめでとうの会」みたいなもの。そこでからっぽの卒業証書を渡され、本物の卒業証書は1月31日の前後に郵送されてきた。つまり私は「12/21卒業式、翌1/31卒業」ということになる。

ここからがややこしい。今、連日のように乱痴気騒ぎの誘いのメールが届いているのは「The New School」部分の卒業式なのです。それで金曜日、パーソンズのみならず、マネスもソーシャルリサーチも、全校あげて、2017年度に卒業する学生を全部、大学とは全然関係ない郊外にあるコロナパークのスタジアムに集める式典がある。「日本大学の卒業式、さいたまスーパーアリーナでやるよー! でかいよー!」って言われて、芸術学部デザイン学科の人たちがフーンとしらける、みたいな話ですかね(※日大の規模をよくわからずに書いてます)。15年前、一度目の大学卒業式でさえ待ち合わせてた友達の全員とは会えなかったなぁと思い返すに、この日は実質、行った先で何かするのは不可能に等しいだろう。もはや「空に帽子を投げるためだけにフラッシングくんだりまで行く」状態なわけです。毎朝フラッシングから通学してる子もたくさんいたので物理的距離だけなら「くんだり」なんて言うの失礼なんですが、心理的距離が、な……。しかもこの公園、私、以前にESLのグループワーク取材で行ったことあり、当日現地に着いたら他のメンバー全員にドタキャンされて、宿題を全部押し付けられたというひどいトラウマの地なんですよ。今なお思い出すだけで腹立つわ、あいつら。

それはさておき、さすがにそれだけだと配慮に欠けるという話なのか、校舎の講堂を使って「学部ごとの卒業式」も連日開催される。明日の午後ここで「AMT > Graphic Design > AAS」の卒業式が開催されるのだが、これはたぶん、12月下旬に私が体験したのと同じ、ショボい卒業式なんだろう。でも、どうせショボいんだろうと気の抜けた格好で行ってみたら周囲がみんな超絶ゴージャスだった、というのも癪なので(アメリカンパーティーあるある)、東京でブイブイ言わせてた頃の服など引っ張り出してきたところ(誇張表現)。

今日も自宅作業日で、なぜかというと二週間前にようやく、火曜水曜で入れていたインターンを終えられたからである。2月から日記が止まっていたためここには影も形も書かれていないけれど、チャイナタウンにあるデザイン事務所に通って、大学の学長就任10周年記念本のエディトリアルを手がけていた。といっても、さすがに別々の二箇所で「パートタイムのフルタイム」(語義矛盾)で働くというのはいろいろ無理があり、今の職場に一本化するためにこちらのオファーは辞退した次第。「辞めてよかった」しか感想がないのだけど、一箇所しか知らずに働き始めるとそこの常識がすべての常識だと勘違いしてしまうから、二種類のまるでタイプの違うデザイン事務所でインターンをしたのはよかった。会社に勤めるのは構わないんだけど、「カリスマワンマン社長とその他の下働き」みたいな構図の中小企業で「下働き」側をするのは、さすがにもういいかなぁ。私だけジュニアデザイナー扱いでゼロから完全に自由に作らせてもらって、他の「下働き」よりはずいぶん優遇してもらったんですけどね。若い学生上がりと同条件で一年契約は長すぎるよ。一年後にはもう少しマシな働き方をしていたい。……というこの気概も、そのうち忘れてしまいそうなのでメモしておく。

2017-05-15 / リハビリ、卒業週に

日記が滞っているうちに大学を卒業してしまうことになるので、もう何でもいいから書くことにしました。

土曜日は夕方から、坂本龍一映画祭こと「Forbidden Colours: Ryuichi Sakamoto at the Movies」に出かける。詳しくはTwitterに書いたが、『ラストエンペラー』が観られず、ゴネて教授&デヴィッドバーンのトークショーだけ見学、のち舞台挨拶付きで『御法度』観る。しっかしQUADシネマ、改装してきれいになったのはいいけど、ちょっといただけないなー。教授、とってもお元気そうでした。このひと英語で話すとお茶目さ倍増ですな。目礼交わす。帰宅後、黒ビールあけながら口直しに『ラストエンペラー』観る。

日曜日は、髪を切る。一年ぶりに予約入れたヘアサロンに一年前と同じフリーのスタイリストがたまたま居合わせたので切ってもらう。一年前にも思ったのだけど、なかなかよい。経験則的に「ショートカットに異様な思い入れのある男性」か「ころころ髪型を変える女性」のスタイリストが合うのだが、前者の典型みたいな人。予約さえ取れればまたお願いしたい。

東京ではもう10年以上ずっと同じ人に切ってもらっていて、帰国のたびに通っているので宗旨替えするつもりはないのだが、この髪型だとそれとは別に毎月のツナギ要員も必要で、ツナギとして有能な人を探し続けているのです。「全部壊して更地に俺様作品を建てたがる前衛オブジェ作家」じゃなくて、「改築工事のスペシャリスト」ですね。前者のタイプはあまり信用していない。私はなるべく「髪のことを考えずにすむ時間が長い」のが理想。たとえば「庭師」とかなら、そういう基準で雇って全部お任せにしている人もいると思うのだ。「美容師」にだってそれを求めていいよね、と考えている。

あと石川禅ソロコンサートの感想を更新した。大半の部分を書いたのは3月中旬なので、1ヵ月半ぶりに読み返す。我ながらキモい! でもこんな文章、手元で死蔵しているほうがもっとキモい! ので晒します。夫のオットー氏(仮名)から「我が妻ながら、これは、ちょっと引く」とゲッソリした顔の絵文字が送られてくる。前回1万2千字書いたときはあちこちで感想をいただいたのだが、今回は3万字あるので、さすがに感想も届かない。これを仕上げるまで日記は書けんなと思っていて、これを仕上げたので、日記も再開。

月曜日の朝、出勤中にテキストが来て「おまえ今週もう会社とか来なくていいから!」と言われる。そんなん言われても、もう6線乗っちゃったよ……TGIM(TGIFの月曜日版、朝食ミーティング)で早めに集まったP&Cが急に「そうだ今日からIkuに休暇をやろう!」と思い立ったのであろう。まぁ、事前に休みたい日と働きたい日を通告しておかなかった私も悪い。まだまだ若い会社なので、自分たちもつい数年前にはっちゃけた「Grad Week(大学卒業式週間)」をやたらと特別視している。もう何週間も前から「ドレス何着新調するの!?」「連日、朝まで忙しいよねー、クッタクタになるまで遊ぶもんね」「ちゃんと友達たちと連絡ついてる?」とか言われて、文化の違いに面食らう。どのパーティーにどの友達と繰り出すかをスケジューリングするのがそんだけ大変なのかよ。これだからパリピは。

まぁでも特別休暇をいただけるのは有難いことなので、そのまま6線に乗ってメトロポリタン美術館へ。もちろん、『Rei Kawakubo / CDG』の展示がお目当てだったのだが、う、うーん、これは……どうなの……? いや、一点一点は素晴らしいですよ、まとめて観られるのもいいことです、だがしかし、なんというか、「ここはFITミュージアムか?」って規模なんですよね。うまく言えないのだが、キュレーションが変態性に乏しい。ファッション展示としてきちんとしている、しすぎているような。前評判がすごいというだけで、私もっと『China: through the looking glass』とか、『Manus x Machina』みたいな気合の入りようを期待してしまっていた……けどまぁ冷静に考えたらCDGだけの展示だったらこうなるか。いやしかし、見応え的に2000年の東京都現代美術館『三宅一生展』くらいのものは……期待してたのよ……。それが作家性の違いだといえばそうなんでしょうが、ここでまで華麗なる肩透かしを食らうのか、という、突き放された感じがした。それで、出口のところにPLAYのポップアップショップができていて、信者がみんな限定のTシャツだかスニーカーだか買ってて、しかも向かいの特別展示室の企画は『Age of Empires』なんですね。やー、なんというか……「METはん、この初夏は中国人のお客さんが増えてウハウハでんなぁ」みたいな感想が先に立ってしまった。サーセン。あでも『Age of Empires』の、「中華版ノアの箱舟」みたいなコーナーとてもかわいかったです。相対評価になって申し訳ないが、まったく何の期待もせずに、もののついでに観たものすごく地味な『SEURAT’S CIRCUS SIDESHOW』が、もんのすっごく良いように感じられた。一点の作品を展示して、その周囲に時代背景や資料や習作をぐるっと配置してあるだけ、それだけなんだけど、川久保玲の一着のドレスでコレが見たいよ、という感想。

時間がいくらあっても足りないので、セントラルパークを縦断して、南側で正午にタイヌードルで昼食を摂り、午後はまるまる、WeWork w57th St.で作業。建物の入館時には別途サインインが必要と言われたが、21時に出るときにはメンバーズカードが使えた。初めてなのでと一応挨拶したら、受付のヒップスター髭のお兄ちゃんに「たとえ個室を使わなくても、来るなら予約を入れろ。今回だけ許してやるが」と言われて、ちょっと感じ悪かったなぁ。こんなん次から黙って来るわ、と思うけど、黙って入ったらそれはそれで「ウチのもんじゃねえだろ」とか言われるのだろうか。同じWeWorkでもさまざまだな。Soho Southの雰囲気がよすぎるんだろうなー。「WeWork」の使い勝手についていつかどこかに改めて書きたい。設備が完璧に同じでもコーヒーにはうまいまずいがあるとか。期限切れのポテチを無料配布してたので食べたら腹がふくれてしまい夕飯抜き。

2017-03-06,07 / 石川禅3rdソロコンサート

■はじめに

 行ってまいりました「石川禅3rdソロコンサート」。2015年5月「1stソロコンサート」から約2年、2016年9月「2ndソロコンサート」から半年、本当に久しぶりのソロコンサート。ほとんどこのためだけに海を越え、コーラも飲まずクリームもなめず、2017年3月6日(月)ソワレ、3月7日(火)マチネ、3月7日(火)ソワレ、全通しましたよ。結論から言うと「地球の裏側から来た甲斐があった」この一言に尽きます。
 海外在住者は後援会活動が難しく、出演作品だって今までのように頻繁に観劇することはできない。こんなに長いこと生の舞台を観られずに、ミュージカル俳優のファンを名乗る資格があるのか? と歯がゆい思いをしていました。それでも、年に一度か二度はこんな機会があって、そのうち何度かに一度は私も観に行けて、それだけでこんなに、ここまで、幸福な気持ちになるのならば、やっぱり私は、どこまでも禅ちゃんのファンなんだなぁ、と思えます。このソロコンサート企画が続いていることに、遠方から、誰よりも深く感謝したい。
 今回会場へ足を運べなかった人のために、あるいは過去公演がどんなだったか知りたくて検索して辿り着いた未来のファンのために、憶えている限りのことを書き記しておきたいと思います。帰国後、忙しく過ごしていたらあっという間に二ヶ月も時が経ってしまい、一方で分量は3万字から減る気がせず、ずっと塩漬けしていたのですが、そうこうするうち日本では次回出演作『パレード』が開幕してしまうので、もう観念して手を離します。
 全三公演分の感想をまとめて書きました。便宜上、全三公演について「一回目」「二回目」「三回目」と表記しています。二回目だけメモを取り、細部は新鮮な記憶をもとに綴っていますが、公式の映像記録などがあるわけではないし、どれも一度観たきりの個人の主観にもとづくもの。話半分にお楽しみいただきつつ、もし明らかな間違いがあったらご指摘ください。(2017/5/13記)

2017-02-16 / 仕事始

またしても一ヶ月以上、間があいて申し訳ありません。正月の威勢の良さはいったいどこへ消えたのか。気づけばもう二月も半ばを過ぎている。

35歳過ぎてからの、米国東海岸への、社会人留学同士、という意味で、ボストン在住バークリー在学中の唐木元さんのブログ( http://d.hatena.ne.jp/rootsy/ )をいつも楽しみに読んでいるのだが、彼もやはり進級するにつれ忙しくなってきたらしく一月の日記はほとんど更新がなく、あーわかるわかる、商業原稿もあるとなかなかねー、とエア相槌を打っていたら、そちらは久しぶりに更新されていたので、焦る。

あと、ワシントン在住のOL某さんが始めた「アラサー女の東海岸一人暮らし」( http://dcdemorouhi.hatenablog.com/ )が毎回めちゃくちゃ面白いので、これまた焦る。あーーーー、私も引越当初のあれやこれやをちゃんと書いておくんだったよーーー! と反省しきり。私の場合、「日本→アメリカ」のカルチャーショックはすぐに消えてしまって、割と早くに「東京≒ニューヨーク」の共通点探しモードへ移行してしまったのだが、「基本的に親切じゃない(から親切がしみる)」とか、「ヤバい地下鉄車両には乗ってから初めて気づく」とか、「風呂が浅い」「戸棚が高い」「チップに迷う」みたいなことへの文句、もっとフレッシュなうちにつらつら書いておくんだった。

正月帰省を兼ねた東京滞在の最終日、打ち合わせでおしゃべりしまくった挙句に見事に喉風邪をひき、1月20日に帰国後、時差ボケと体調不良に生理痛が重なって、二週間以上ずっと臥せっていた。ありったけの日本製市販薬を服むも効果なし、加湿器をガンガンかけても咳で眠れず、朦朧としながら日付の感覚がなくなるまでベッドの上で寝たり起きたり。ちょっと具合がよくなると出かけていって人に会い、米国製の特効薬の情報など教わるのだけど、帰って来ればまた悪化して翌日はダウン。といっても、実際は半分以上が「医療費が高いから医者にかかりたくない=プロの診断を仰げない」という不安からくる鬱々とした状態だった気がする。

「ひとりぐらし病」と呼んでいる症状がある。働き盛りの独居独身が一度風邪をひくと異様に気分が落ち込んでこじらせてしまい治りが悪くなる。誰かちょっとした看病をしてくれる同居人や、横で笑い飛ばしてくれる家族がいたら、もっと早く回復できるのにな……と思い嘆きながらも、咳をしても下痢をしても嘔吐しても一人で、もくもくと己の汚物を片付けては病欠明けの有給休暇が消えていく、例のアレである。今は二人暮らしだけど、二人して同時に風邪と時差ボケにやられていたので、ちょっと「ひとりぐらし病の二乗」という感じがした。

学校があればまだしも虚勢を張って日々をやり過ごせていたのだろうが、なんとこの朦朧とした期間のうちに、気がついたら大学を卒業してしまっていたのだった。なんだよそれ、とお思いでしょう。私もびっくりです。元日の日記に書いた通り、「12月末までの秋学期で卒業必要単位全取得」したけども「卒業式は5月中旬」という宙ぶらりんな状態で、23日から始まる春学期はサークル活動や単位外のワークショップなどに顔を出しながら、学校周辺をうろついてのんびり職を探そうと思っていた。ところが、大学の規定では、私の公式な卒業日は「1月31日付」ということになっていて、そこから先は結局やっぱり「卒業生」扱いであることが判明する。

もうね、まず、キャンパスに入館できない。エントランスに学生証をかざしてもゲートが開かない。家で寝ている間に学生証が期限切れになっていたのだ。もちろん、即発送されると聞いていた卒業証書はまだ届いていないし、オンライン学生ポータルでは「春学期の学費を未納の学生」というステイタスなのに、である。学生証を発行する部署では私はもう卒業生扱いで、学費請求する部署ではまだ学生扱いで、双方の連携がまるで取れていない、みたいな話。まじアメリカ!!

この問題を解決するには、入学時に学生証を作ったのと同じIT窓口へ出向いてカードを切り替え「同窓生ID」を再作成しないといけないのだが、卒業生へ向けてそうしたアナウンスがなされることはいっさいなく、自発的に個別に問い合わせて初めてそのアンサーが明かされる仕組みである。そもそも1月23日からの第1週は普通に校舎へ出入りして他学科の授業へもぐりこんだりできていたのに、翌週から建物にすら入れないっておかしくないか。しかも窓口の警備員ごとに応対が違って、「先週までこの学生証を使ってた5月卒業生なんだから、入れてよ〜」と頼めばゲートを開けてくれるおっちゃんもいれば、決まりは決まりだと絶対に許可してくれないおっちゃんもいる。セキュリティ何の意味もない。

時間に余裕のある今学期に講習を受けて使いこなせるようになっておこうと思っていた大学設備あれこれ(レーザーカッターや3Dプリンタ、ダーストやリソグラフなど)も同窓生IDでは予約が取れない可能性があり、ずいぶん制約が出てきそう。こんなにハシゴを外されるとわかっていたら、昨年までにもうちょっと動いておいたのに! と後悔する。もろもろズルズルしているうちにあっという間に5月になってしまうんだろうな。

学校に追い出されてしまったのと前後して、秋学期半ばで中断していた就職活動を再開し、本日からソーホーにあるデザインスタジオでインターンとして勤務を開始した。先週日曜の夕方に履歴書を送ったら、1時間後に「会いたい」と返信が来て、翌月曜にたった20分間の面接で「他の子たち全員断るわ、木曜から来てねー」と即採用。決まるときはすぐ決まるもんだなと拍子抜けする。

ボスはプラハ出身のイケメンで、名前をGoogle検索すると「あの人気モデルが電撃同性婚!」というゲイニュース記事に「お相手の一般男性」として登場してファンたちの嫉妬を買っているイケメン(二度言った)。あと西海岸出身の美女がマーケティング担当で、建築&インテリア設計担当とエンジニアが数名いて、ボスの下で実働するグラフィックデザイナーは私のみ。少数精鋭部隊と言えば聞こえはよいが、典型的なブラック・ベンチャー企業である。日曜夜のメールに即レス来る時点でお察し。アメリカ人は定時で帰って家族との時間を大切にするって聞いたのに! と震える。パートタイムかつインターンの私だけは定時出退社させてもらえるのだが、フルタイム社員はみんな深夜まで帰宅する気配がない。各プロジェクトのことを「our babies」と呼んでいる。かわいいかわいい赤ちゃんを育てている新米のパパママたちだから、手がかかって当然、という意味。たぶんみんなアラサーで、一番下っ端の私が最年長。こういう若くて勢いのあるスモールオフィスに勤めた経験がないので、何もかもが新鮮だなぁ。そして職場の第二公用語がチェコ語。でも今とりかかってる案件のロゴはイタリア語。

世界に名を轟かすような大企業の採用には応募しても応募しても面接通知すらもらえず、行ったら行ったで最終面接で落とされたりして、あるいは友人や先生の紹介で仕事のコネクションを紹介されてもなかなかうまくいかず、とはいえ英語圏でのサバイバルスキルを身につけたいのだから日系のデザイン事務所に行くのではきっと意味がない……という調子で、ずいぶん長いことうろうろ悩んでいたので、何はともあれ、大変ニューヨークっぽい職場で卒業後の人生をスタートさせることができてよかった。

ところで今日は奇しくも「 #DayWithoutImmigrants 」という催しの日だったのです。「ほらね、移民がいなくなると生活が成り立たないでしょ?」という、トランプ新大統領へのリアル「どくさいスイッチ」作戦を実行する日で、飲食店などではずいぶんストライキがあったみたいだ。この街で移民として働き始めた第一日目が「移民抜きの日」というのは、なかなか感慨深いものがある。ちなみに私の就労可能ビザは昨年の9月11日に発送されてきた。これまた忘れられない数字である。

1月の日記はそのうちまとめて箇条書きしておきます……。商業原稿のあとで!

2017-01-07 / 雪の日

本日のお天気は「大雪」とのこと。部屋の外は吹雪いております。積もった雪が昼間の日光で溶けないというのは、この冬初めてくらいだろうか。夜は体感気温が摂氏マイナス16度だって。やっぱりマイナス15度より下がると「寒くなる日」って感じがする。0度までなら「あたたかい」部類で、着るものについて真剣に悩むのはマイナス5度以下。

元日は白味噌雑煮と獺祭、『疑惑のチャンピオン(THE PROGRAM)』『作家いつわりのJTリロイ(Author: The JT LeRoy Story)』『トランセンデンス』と観る。なんとなく「偽(post-truth)」というテーマでつながっているような、いないような。外食のお食い初め(※誤用)は「Gato」でウサギ。酉年だけどチキンは避ける。今年こそはちゃんと有酸素運動しよう! ということで、エリプティカル34分5マイル。約8kmのろのろ歩いただけで膝ガクガクになってしまった。全然ダメだな。「晴れたら散歩に出かけよう」とか言いながらまるで天気がぐずついており、実質「大掃除」とでも呼ぶべき家のことをしながら引き籠もり。体調を崩してりんごを買いに行く。りんご丸かじりのプラシーボ効果すごい。夫のオットー氏(仮名)と、お互いが知らない世界、お互いが未読の本などについて交互に入門編の講義をする、家庭内「千夜一夜物語」ごっこ。年明けてからほとんど日本語しか喋ってねえ。「2017年は英語を頑張る」と言ったのはどの口か。慌てて正月限定米国公開中の『SHERLOCK』S4E1など観るも、早すぎて追いつけない。

11月12月の日記をまとめて書く。毎日が面白かったのに、もうあんなに面白くは書けないな。